「いっけいけどんどーん!!!!」
猛ダッシュで庭を駆ける小平太。彼は今日もいけどん元気。

「…むっ!…むずむずするぞ!…ふぁ…ぶあっっっ!」

「………っくし……」
そこで聞こえてきた、小さく控えめなくしゃみ。目をむけると、縁側に座って本を読んでいた長次が鼻をすすっていた。
ふたりの目が合う。

「ありがとうちょーじ!!なははは!」
びしぃっと親指をたてて礼を言うと。

「…問題ない」
こちらも親指をたてて返事をした。

☆安定の六ろ。
****

雷「ふ…くひゃみしそ…は、は…」
鉢(ハ!雷蔵のくしゃみを受信したい!!さあ来い雷蔵!!!!私が受け止めてやるーっ///ハスハス)

竹「ぶぇっくし!!!…だー。なんだ、誰か噂してんのか」

鉢「…………」

竹「うおっ!?何だよ三郎!!」
鉢「うるさい死ね。いや、私が殺してやるからそこを動くな」

竹「いやいやいや!意味わかんねえよ!!ちょ、目がマジなんだけど!誰か助けてーーーっ」

☆こっちも安定?五ろ。
****

ガリガリガリ…試験勉強中。。。
次「…くしゃみでる。ムズムズ…」

作「…っくしょい!ん、ぅん!!わり、俺んとこに来ちまった」

次「作兵衛ひどい!!俺のくしゃみ…めそめそ…」
左「そうだぞさくべー!!三之助がもよおしてたのに奪っていくなんて!!」
作「はぁ!?何わけわかんねーこと言ってやがる!無駄口叩いてねぇで勉強しろ!!」

次・左「集中力が切れました」
作「…っ…てめえら…」

☆くしゃみは迷わず保護者のもとへ。三ろ

****
兵「…くしゃみをしながら好きな食べ物を言います」

勘「え!何それ面白そう!!おれもやる!」

兵「…っと!ぅふっくしゅん!!」

勘「うどしゅんッッ」
兵・勘「………」

勘「ズズ…兵助、これやっぱ無理があるよ…」
兵「……うん。難しい」

竹・鉢「何やってんだお前ら」
雷「でもちょっとセクシーだね」
竹「は!?どこが!!!?」
鉢「雷蔵が言うなら!」
竹「……」

☆五年のお色気担当、五い。

****
本日も保健室に遊びに来たタソガレドキ組頭。

雑「ムズムズ……」
伏「こなもんさん、どうしたんですかぁ?」
雑「いや、ちょっとね。くしゃみが…」

ガラララッ!
「「「いけません組頭!」」」

高坂「中の包帯と覆面が汚れてしまいます!」
山本「以前にも油断して悲惨な目にあったでしょう!」
諸泉「私が洗う羽目になるんですよ!?」
それぞれ、高坂は屋根裏から、諸泉は礼儀正しく医務室の扉から、そして子頭である山本は城で留守番をしていたらしく、忍法コマ破りで現れて雑渡のくしゃみを止めにやってきた。
雑「…お前たちのせいでくしゃみが中途半端になってしまったじゃないか…スッキリしない…」

突然の部下たちの乱入に驚いてくしゃみをだしたいのにだせなくなったらしく、不機嫌そうに三人を一瞥した。睨まれた部下たちは申し訳なさそうに俯く。

伏「…へくちっ!スンスン…ふふ、大丈夫ですよこなもんさん!ぼくが代わりにしちゃいましたー」
ーーー場が和んだ瞬間である。

☆伏木蔵は組頭の癒やし、タソガレドキの癒やし。

****
「っくしゅん!」
寒さに耐えられなくなって、三木ヱ門は小さくくしゃみをした。
「やっぱりまだ寒いな…ユリコ、君は大丈夫かい?」

隣を歩いている愛しい彼女に優しく声をかけ、手のひらでそっと彼女の身体に触れる。

「ああ…こんなに冷たい…よし、少し待ってるんだユリコ!すぐ暖めてあげるから!」
そう言って三木ヱ門は彼女のために火薬と砲丸を調達すべく、走り出した。
☆一番リア充だと思ってます、三木ユリ。

****

「〜っっだぁっくしょーい!!!!!!う〜!くっそさみーーーっ!」
3月も半ばが過ぎ、そろそろ桜も開花しそうな今日この頃。しかし春めいているとはいえ、未だ寒さは続いていた。日も落ちて月がてっぺんにいる時間帯であれば、尚更。
はあ、と吐く息が白い。自室の前の縁側で大きなくしゃみをした竹谷はズズっと鼻をすすった。

「はち、煩い。もうみんな寝てるんだから少しは抑えろよ」
「おお、兵助。今風呂上がりか?」

竹谷の問いにこくりと頷いた久々知は湯上がりらしく頬がほんの少し赤く染まっていた。
「お前は何をしてるんだ?まだ寝ないのか」
こんな時間に部屋にも入らずただ座っているだけの竹谷に疑問をぶつけると、彼は目線を逸らしてふっ、とどこか明後日の方向を見つめてため息をついた。
「………虫さんたちがな…俺の部屋の中で大運動会を始めたんだ…」
「なんだ。逃がしたのか」
まあ大体予想は付いてた。淡々と言う久々知を竹谷は恨めしそうに睨む。
「うぅ…他人事だと思いやがって…」

「他人事だからな。今日は寝られないんじゃないか?」
「おー…俺も寝られる自信がないぜ…ちくしょー」
追い討ちをかける久々知に竹谷は泣きながら答える。

「けど仕方ねえ!俺の責任だ!きちんと全員捕まえる!!」

ぐっと握り拳をかかげて意気込む竹谷にふぅ、とため息をついてから久々知は隣に腰を下ろした。

「こっちも仕方ない。捕まえるの手伝う」
「何っ!ほんとか!?…いや、でも悪いし…」
「いつもほぼ強引に付き合わせるくせに何言ってるんだ?もう慣れてるんだから遠慮するなよ」
「へ…っ兵助!!!」
久々知の言葉に感涙し、がばっと抱きつくと鬱陶しいと言われたが気にせずギュッと抱きしめた。

「…はち、そろそろ離れ………っくしょん!」
離れようとしたら、くしゃみがでた。

「わ!大丈夫か兵助!湯冷めしちまったのかな…よし、これ巻いとけ!」
そう言って、自分の首に巻いていた布を外し、久々知の首にふわりとかけてやる。微かに感じる竹谷の体温と匂いに図らずも赤面してしまった。

「って、あれ?兵助お前、なんか顔赤くねーか?」
「…うるさい」

なんだか無性に恥ずかしかったので、竹谷のわき腹を軽く殴るとぐえ、と変な呻き声をあげて何すんだ!と至極当然の反応をする。
「うるさい、はちのくせに」

「意味分かんねえ!ぐはッ!…って、またやりやがったな!」
「さっさと捕まえに行くぞ。俺は眠い」
照れを隠すため、すたすたと竹谷の部屋へ入っていく久々知を慌てて追いかけ、引き戸をぱしんと閉じる。

…捕らえるのは簡単。けれど素直になるのは、とても難しい。

****
鉢「…なんだあのリア充どもは」
勘「なー。焙烙火矢投げてみるか!」
雷「やめなさい」

−−−終わるよ!



くしゃみを受信。





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