朝日が顔に当たり眩しさで目を覚ます
珍しく隣で寝るずいぶん年上の彼より先に起きたらしぃ
普段なら自分より先に起き、朝食の準備まで整っているのだが、今日は起きる気配すら無い
ふと、最近仕事が忙しいと昨晩愚痴を洩らしていたのを思い出した
部下が増え、上からも下からも大変なんだろう
これはめったに無いチャンスだと思い、彼の顔を観察する
普段はマフラーやマスクで隠された火傷を負った顔は無防備にさらされている
なかなか見ることの出来ない素顔に口元を緩めると
彼もまた口が開き…笑った
一瞬起こしてしまったかと焦ったがそうでも無いようだ
「…たくっ、何の夢を見てるんですか…」
暫くして、ようやく起きてきた彼にわがままを言って外でブランチをすることにした
「こなもんさん、待ってくださいよぉ!!」
「あぁ、すまない…」
コンパスの長さの違いのせいで先をスタスタ歩いて行く彼に声をかけるとスッと左手を差し出された
少し考えて右手を乗せるとギュッと握ってまた歩き始めた
「こなもんさん…手に汗かいてますよ…ふふっ」
「これは…こんな幼い女の子と手を繋いで犯罪者と思われるんじゃないかと気が気じゃなくてね」
「…」
「嘘だよ、もぅ、察してるんだから黙っててくれても良いだろう」
「ふふっ…周りからはどんな目で見られてますかね♪誘拐とかすごくスリルー」
「ちょっ…誤解を招く言い方は止めなさい!!第一君だって手がとっても熱いんだが??」
「…これは、僕の体温が高いからです」
「へぇ…昨日はあんなに"こなもんさん、寒いから暖めてください"って擦り寄ってきたのに♪」
「…っ////」
「お!!もっと温かくなった。これなら今日は私を温めてほしいぐらいだねぇ」
「本格的に変態くさいですよ…」
「ん〜、どうせ周りは親子とかだと思ってるんじゃないかな??」
その物言いにカチンときて彼を見上げ僕より断然高い彼の服の襟を引っ張る
チュッ…ピチャッ…クチュ
「ちょっ…伏…んっ」
「んっ…ふぅ…はぁ」
わざと周りに音が聞こえるように彼の舌に自身の舌を絡める
最後にチュッと軽く唇を吸ってから離すと二人の間を銀糸が繋ぐ
「ふふっ…これで完璧に犯罪者ですね」
僕が不適な笑みを浮かべると
「これは宣戦布告と受け取って良いんだね♪今すぐ帰ろうか」
彼はもっと不適な笑みを浮かべていた
気がつくとベッドの上で寝ていた夢だったのかと思ったが、あちこち痛い体を見ると夢ではないらしい
隣で寝る彼は今朝と同じく気持ち良さそうに寝ている
「もう、…敵わないなぁ」
チュッ唇にキスを落とし、自分ももう一度寝るため彼の懐へ潜り込む
あなたと一緒ならいつでも「シアワセ」