美しいのはだぁれ?


森に入ってすぐに伊作を見失った伏木蔵は…例のごとく迷子のスリルを楽しんでいました
「うーん…スリルは良いけどそろそろ飽きてきたんだけど…こなもんさんに会いに行っていいですか??」
右手を高く上げ、小首を傾げて可愛く言ってもお話には順番がありますから!!
よって、却下です。
「えぇー、じゃぁ僕もぅ辞めます」
それこそ困ります(-.-;)さぁさぁ、この話が終わったら次は雑渡さんだから頑張って
「じゃぁ、さっさと終わらせてしまいましょう」

元気を取り戻した伏木蔵は森の奥に向かって歩き出した
しばらくすると何だか話し声が聞こえてくる
「ふふん、この中で私の美しさに適う者はいない、なんせ学園のアイドルこと四年い組の平滝夜叉丸様だからな」
「真っ赤な薔薇なんて目がチカチカするだけじゃないか、それよりも僕、四年ろ組田村三木ヱ門の方が繊細さと美しさを兼ね備えているね」
「何だと!!白の薔薇なんて地味なだけじゃないか!!!」
「白は何者にも汚されない高貴な色だ!そんなこともわからないのか」

「「やるか!!!」」

2人が臨戦態勢に入ったその時
「う〜ん、今田村くんの得意な火器を使うと山火事、平くんの戦輪だと森林伐採って事かな??」
のほほんと話すのはマリーゴールド(?)らしき着ぐるみ姿の四年は組斎藤タカ丸である

タカ丸の声に一瞬動きの止まった2人(二輪)だったが気を取り直しお互い睨み合い一気に距離を詰めた
…途端にタカ丸の視界から2人が消えた
「うわわわわぁ、やっぱ忍者ってすごいなぁ」
タカ丸が1人感心していると

「タカ丸さん何を言っているんですか、良く見て下さいよ」
どこからともなくパンジー基、四年い組の綾部喜八郎が現れた
タカ丸が綾部に言われた通り2人が消えた場所をよく見ると
「あれ…?穴??」
「そう、2人は僕の掘った穴に落ちたんでーす。だぁいせーこー」
「…あれ??綾部くんはドードー鳥じゃぁ??」
「進行が遅くって暇になったので役を回してもらいました」
「いいのかなぁ…」

まぁ、何はともあれ伏木蔵が到着したころには現場は無残な物と化していた

.失神した薔薇2名
.他の花を刈り取るマリーゴールド
.ひたすら穴を掘るパンジー

「あのぉ…僕はどーすれば」
恐る恐る伏木蔵が声をかけると
「向こうに物知りのイモムシがいるから聞くと良いよ」
言われた方へ歩いていくとイモムシ基、三年い組伊賀崎孫兵が居た
「あ!!生物委員の伊賀崎先輩!」
「補足説明までありがとう、鶴町くん…で、僕に何か用かな??」
「率直に言うと話の進行上しかたなく…と言うとお話自体の意味が無くなってしまうので、元の大きさに戻りたいんです!!ついでに飽きてきたので帰りたいです」

話の進行を考えられるようになったなんて天の声感激です!!
余計な一言とかちょいちょいあるけど伏木蔵が成長してくれて嬉しいよ(泣)

「ちょっと、汚いから鼻水垂らさないでくれる?ジュンコが濡れちゃうじゃないか」

ずびばぜん…ってかそのパイプはジュンコだったのかΣ(゜∇゜)
パイプ(ジュンコ)が濡れないように庇いながら睨み付けてくる孫兵(怖いです…ガタブル)

「まぁ良い、デカくなりたければ右、ちいさくなら左だ」
「え??何がですか?」
「キノコに決まってるだろ」
「へぇ、どこかの配管工兄弟みたいですね」
「それ以上言うんじゃない…あぁ、スリルが足りないなら赤の女王に会ってみるのも良いかもしれないな」
「赤の女王ですか??」
「あぁ、だがキングの方がインパクト大だと僕は思うんだがな」
「面白そうですね!!スリルもありそうだし行ってみます」

こうして伏木蔵は笑顔で孫兵と別れた





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