「あ、ジュンコさんだ」
(あら、三之助さん。こんな所でひとり、何をしているのかしら)
「聞いてくれよ。まぁーた作と左門の奴がはぐれちまった…今あいつら捜してるところなんだけど…ここどこだ」
(…完全にこちらが迷子みたいね。作兵衛さん可哀相…)
「ジュンコさんがひとりでいるってことは…きっと孫兵が捜してるよな。よし、ジュンコさん一緒に帰ろう」
(そろそろあの子が来てくれる頃だろうから一緒に三之助さんも保護してもらったほうが良さそうね。じゃあ肩にお邪魔するわ)
「えぇーと…学園は…あっちか」
「…こっちだ」
「お、孫兵。丁度今ジュンコさんと学園に戻ろうと思ってたんだ」
「……おいで、ジュンコ」
「何だよ、機嫌悪いな。俺とジュンコさんがふたりきりだったから妬いてんのか?」
「煩い。ほら、お前も戻るんだろう?ちゃんと僕についてきて」
「おう」
―――きゅ。
「?!…何故手を握る?」
「あ、悪い。いつもの癖で…」
「あぁ、迷子対策か」
「そうなんだよ。あいつらいっつも急にいなくなるからさ」
「………逆だと思うけど」
「何が?」
「…いや、いい。じゃあちゃんと手を握ってて。面倒な事にならないように」
「ああ。ありがとう孫兵」
(…あらまぁ。孫兵、頬が朱くなってるわ。首筋も熱くなっているし…もしかして、三之助さんじゃなくて私に嫉妬していたのかしら…)
あれ?左門と作兵衛は?
(あいつ等俺らの事忘れやがってぇぇ!!)
―――――おわり。
次孫好きです!
でも何故か私の書く孫兵さんは次屋くんに対してツン全開です。
なんでたろーぅ…