ある朝のこと

 


肌寒い冬の朝。


寝間着代わりの着流しを羽織り、まだスースーと寝息をたてるアレンを見つめる神田。

気持ち良さそうに上下する肩が少し寒そうで、アレンが被っているタオルケットを引き上げてやる。
すると、目が覚めたのか何かを探すようにさ迷わせるアレンの手を握ってやる。



「……あは、あったかぁい…」



言いながら寝惚けたように神田の手に刷りよってくるアレンの頭を撫でる。



「…風邪、ひくぞ」



前夜の行為からアレンは素っ裸なのだ。
風邪を引かせまいとかけてやったタオルケットも、動いたせいで意味をなしていない。



「んー、いいです。…神田ぁ?」
「なんだよ。いつもより甘えたじゃねぇか」
「いいでしょう、たまには。僕だって甘えたくなることくらいあります」



やわらかく微笑みながら言って今度は神田の腰に腕を回し抱きついてくる。

正直薄い生地の着流しの上からアレンの胸の形がわかってしまって危うい神田は「無自覚も大概にしろ…」と内心で悪態をつくが、そんな気持ちを押し込め、アレンが風邪を引かないように抱きしめてやりベッドに潜り込む。

ひねたことを言いながらもアレンが可愛くて、好きすぎて、仕方ない神田はアレンを甘やかしてしまうのだ。





戦争中とは思えない程ほのぼのとした“あたたかい”朝がふたりを包み込んだ。


外は薄く降り積もった雪たちが、冬晴れの太陽に照らされてキラキラと輝いている。





END











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