永遠の愛を

 


「イノ、センスが…AKUMAがっ、消えてくっ!」

「やっと、終わったさ…?」

「そうよっ!私たちが勝ったのよっ」

「よっ、…しゃーっ」



伯爵が消滅したことにより、ANUMAも同時に消滅。
役目を終えたイノセンスはもう一度世界各地に散っていった。

ノアやAKUMAと交戦していたエクソシストたちは世界各地でそれぞれ戦争に勝った喜びを噛み締めていた。



『みんな、ありがとう。これで終わりだよ。長い夜は明けた。本当にお疲れさま――』



総指揮を執っていたコムイも無線を通して労っていた。



―・・・



「ねぇ…聞こえ、ました?…戦争、終わりましたよ」

「…聞こえてる。伯爵倒したんだ、当たり前だろ」

「はは。そ、ですね。はぁー…さすがに、疲れたなー…」

「…さすがに、キツイか」

「ちょっと休憩してから、本部に戻りましょうかー…」

「……あぁ」



本部からさほど離れていない森の中。
木々がめちゃくちゃに折れ、AKUMAの残骸やガスに包まれるように体を横たえる二人がいた。

所々破れた団服、その下の切れたような裂傷。
まだ若い、男女のエクソシスト。

言ってからなんとか体をお越し、近くにあったAKUMAの残骸に隠れるように二人で座る。

神田の胸に背を預けるようにして座るアレンと、それを抱き締めてアレンの肩に頭を預ける神田。



「帰ったら、まず、お腹一杯ご飯食べて、…みたらしも。また、四人でお茶し、ましょう。 それから、神田と一緒、にいろんなとこ、行って……そだ。マナ、お墓行かなきゃ。楽しみです、ね神田ぁ」



アレンのそれに返事が返ることはなく、頭を預けたままの神田に小さくキスをして、アレンも目を瞑る。 一筋の涙が流れた。





「アレンくーんっ!?神田ーっ!」

「あ、いたさっリナリー!」

「アレンくんっ」

「ユウっ」



「〜〜っ…っはは、すっげぇ幸せそうさー」

「っ、そう、ねっ…っ。笑ってるものっ。神田、も…っ」

「やっと、…思う存分イチャつけるもんなっ……っ…」



リナリーとラビが二人を見つけたとき、神田とアレンはピクリとも動かなかったが、二人とも柔らかい笑みを携えていた。



「よかったねっ」と涙を流しながらも笑顔で動かない二人を抱き締めるリナリーと、腕で目をおおって空を見上げるラビ。
暮れていく陽のなか、若い二人の声が響いていた。



苦しいことばかりだったけれど

これからは、二人でずっと――

永遠の愛と幸せを―――





END



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