short | ナノ
人間界から戻ってきたルシフェルは、その顔を目一杯ほころばせていた。なにかいい事でもあったのだろか? と思いながらも私は「おかえり」と言う。すると彼は紙袋を携えた両手を大袈裟に広げて「ただいま、なまえ」と私をガバリと抱きしめた。おまけにほお擦りまで。この馴れ馴れしさにはもう慣れてしまっている。

「ル、ルシフェルってほんとにお肌ツルツルだね。って、やけにご機嫌だけどなんかあった?」

よくぞ聞いてくれました、と言わんばかりに顔を持ち上げたルシフェルの瞳は、なぜか怪しいくらいに光り輝いていた。

「ふふ、君にプレゼントがあるんだ」
「え、ほんと? わーい! なになに、どんなもの?」
「まぁまぁ、そう慌てるな。とりあえず部屋に行こう」

わりと人間界のものが好きな私は少し興奮気味に部屋へ移動する彼の背中をついて行った。――のだが。
数分後。
私はズボン半脱ぎ状態のまま、部屋から逃げようと扉にしがみついていた。

「に、逃がさんっ。これを履くまで逃がさない!」

そして後ろで私の脚を捕まえて離さない、冷静を装うルシフェル。しかし彼の照りつける瞳は明らかに野獣と化ていた。荒々しい呼吸音さえ聞こえる。

「絶対いやぁ! そんなプレイしたくない!」
「プレイじゃない! 普段ボーイッシュな格好しかしない君に、たまには女性らしいものを身につけてほしいと思って買ってきたものなんだ。わ、私の想いを台無しにしないでくれ」
「下心が丸見えだよお!」

わーんと泣く私は心の中でイーノックの助けを求めていた。百パーセントの確率で助けに来るはずもない。誰かこの変態を処理してくれないだろうか。
赤くてセクシーなガーターベルトをぎちりと握りながら私をどんどんと船底へ引っ張っていく。いつしか両手は力を失い、黒い野獣に組み敷かれ、ズボンを剥ぎ取られ、私は金輪際忘れることのない悪夢を、見せつけられた。
あとのことは皆様のご想像にお任せするのであった。




300000hit thanx
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -