『もしもリヴァルと入れ替わったら』
「うひょおぉおおお!
スゲースゲー女の子ってやわらけ〜!」
興奮した様子で叫ぶのは空の姿をしたリヴァルだ。
彼女の声なのに、リヴァルが喋っているんだとすぐに分かるほど、口調がリヴァルそのままだった。
「変なところ触らないで!」
顔を真っ赤にして怒鳴るのはリヴァルの姿をした空。
声はリヴァルだから、笑ってしまうぐらい変だった。
漫画みたいな事が起こったなぁとスザクはボンヤリ思う。
朝、目が覚めたらお互いの身体が入れ替わっていたそうだ。原因は不明。
ルルーシュは爽やかに微笑んだ。
「リヴァル。
おかしな事をしたら殺すからな」
「おいおい友達相手に殺すとか言うなよなー」
「今だけは友達じゃないよ僕ら」
と、言ったスザクの笑顔も普段よりすごく爽やかだ。
空(中身はリヴァル)は不満そうに頬を膨らませた。
「んだよつまんねー。
こんな機会絶対ないんだからいいじゃんかよー。
……っていうか本当に柔らかいんだけどこのホッペ。俺恋しちゃいそう」
両頬に手を当て、モジモジと身体をくねらせる。
リヴァル(中身は空)は涙目で眉を吊り上げた。
「やめてよ気持ち悪い!!」
「気持ち悪いとか言うなよ自分の顔じゃん」
「あたしそんなことしないもん!!」
「新鮮でいいじゃん。
ねぇルルーシュ、スザクぅ、こんな私はきらい?」
瞳を潤ませ、上目遣いで、甘えた声で彼女(中身はリヴァル)は言う。
本気を出したリヴァルに、ルルーシュもスザクもコロッと揺らいだ。
二人の頬が赤らみ、苦しそうな顔をする。
「い、いや、きらいじゃない……。
それはそれで有りだ……」
「う、うん……すごく新鮮だ。
いいよ、すごくいい」
「ルルーシュ!! スザク!!
中身リヴァルだから!」
なんという魔法の言葉。
ルルーシュとスザクをあっという間に現実に戻す。
結局、元に戻るまでリヴァルは自由に行動させてもらえなかった。
終わり