※コミックス42巻のネタばれありです※



『結魂式と書いて結婚式と読む』






 十分すぎる程の療養を病院で取らされた土方が退院した頃、季節はすっかり秋を迎えていた。かっちりと隊服を着こんでいる分にはわからないそれは、頬を撫でる風が思った以上に冷たく突き刺さることで気づかされる。煙を燻らせながら江戸の町を久々に闊歩しつつ見上げた空には、オレンジのキャンバスに浮かぶうろこ雲。踏み締めた足元には紅に黄色に色づいた落ち葉が囁くような音を立て、いつの間にか様変わりしていた世間に土方は内心で苦笑せざるを得なかった。忙しすぎて季節を感じる暇も無かった自分に、見えない何かがまるでその歩みをほんの少しだけ遅らせてみろと言わんばかりで、そんならしくない考えを巡らせるのは間違いなくつい最近できた小姓とそれに関する一連の出来事のせいだな、と彼は思う。
 途中、視界の端を何度か横切った自分達とは真反対の色にちらりと心を動かしつつようやくかぶき町を抜けようとした矢先、白は白でもまっさらではない、まるで今までの必死な生きざまが体現されたような、鈍く輝く銀色を纏った男が土方の前を遮った。
「よォ、退院おめっとさん」
 死んだ魚のような眼、と評されるそれで片手を上げへらりと笑う男は、土方の知る坂田銀時そのものだった。一度、小姓である鉄之助が書いた手紙を寄こしにきた以外では見舞いにすら訪れなかった男のそんな言葉に、土方はフン、と鼻を鳴らす。
「予定より遅れた。お蔭で身体が鈍ってかなわねぇ」
「予定ってお前、どのくらいを想定してたんだよ」
「精々3日」
「はやっ!!あんだけの怪我と失血でそりゃあねぇわ。そりゃオメェさんの気力は3日ありゃ十分だろうけど、身体は正直だからね。ほら俺も良く言ってんだろ?主にベッドの上で」
「俺の退院で空いたベッド、テメェで埋めた方が良さそうだな。その方が病院のためだろ。ちゃんと金払えよ」
「真選組副長さんのツケでお願いします」
 いつも通りのくだらない軽口の応酬。一度は止めた足を再び動かし始めた土方の半歩後ろを銀時が当たり前のようについて行く。どれだけ憎まれ口を叩こうが達者に口を動かそうが、銀時が土方を待っていたのは明白だった。だから敢えて土方も、なぜついてくるのか等野暮なことは聞かず、黙って銀時の好きにさせている。何より、入院していたことで溜っていた鬱憤がこうして銀時と出会うことで少しずつ風に飛ばされていくかのように消えて行くのだから、元より土方がその同行を拒むことなどありはしないのだけれど。
 かぶき町を抜けた先、大きな橋を渡ればそこに続くのは人気の無い開けた川原だ。進路が西のため眩く輝く夕陽に目を細めながら歩を進めると、半歩後ろで銀時が「綺麗な三日月だなぁ」などという。つられる様に土方が視線を動かせば、なるほど東の空には細く輝く三日月が徐々にその存在を誇張し始めていた。
「すげぇはっきり見えてる。空気が澄んでる証拠だな。こりゃ今夜は冷えんだろーなぁ…ところで土方君の今夜の勤務はなんですか」
「この見廻りが終わったらオフ、明日は内勤だが」
「マジでか。じゃあ今晩は銀さんと温まりませんか」
「退院したての身体に無体働こうとするたぁ、甲斐性無しもここまでくると一種の芸当だな」
「ちょ、心がめった刺しにされたんですけど…んだよ、身体鈍ったって言ってたのはどこの誰さんでしたっけ」
「そういう運動はいらねーんだよ」
 折角のお誘いを断られた銀時は、途端に面白くない顔だ。前にいるため顔が見えない土方でさえその表情が頭に浮かぶほど、口から出た言葉も面白くなさそうだった。ガキか、と内心で銀時へ毒を吐きつつ考えを変えるつもりはない土方。それが背中から銀時にも伝わったのだろう、嫌がらせにも程がある、と言われてもおかしくない程のため息を吐きながら彼の口をついたのは、「冷ェなァ。将来を誓いあった仲だってのによ」というものだった。
「………はァ?」
 予想外の一言は土方の足を止めるのに充分すぎるモノだった。止めるどころか思わず銀時を振り返ったその顔には文字通り『何言ってんだコイツ』と書かれている。しかしそれを見た銀時は動揺するどころか、飄々とした、どころかむしろ憮然とした表情で土方をひたりと見据える。
「告白したじゃん」
 尚も言い募る銀時の様子に、土方は頭をフル回転させて該当する記憶を探した。するとそれは案外簡単に見つかったのだが、果たしてクエスチョンマークがついても可笑しくないソレに土方は怪訝な顔をする。
「もしかして、あれか。テメェが元白夜叉っつった、アレか」
「そうそうそれそれ」
「告白って、テメェの過去自分でカミングアウトしただけだろーが」
「ちょ、俺としちゃプロポーズ並の告白だったんですけど!?聞いた時ちょっと『きゅんっ』とかしただろーが!」
 真選組である土方にとって、銀時が桂や高杉らと並ぶ伝説の攘夷志士であったという事実は、今現在の2人の関係を考えると最大の禁忌であったと言えよう。状況が状況とはいえ、見廻り組すらいたあの場でそれでも銀時が口にしたのは、見廻り組のやり方が気にいらないという理由の他に、むしろそれ以上に土方に協力するために他ならない。無論、土方もそれをわかっている。だからこそ、敢えてまだ事件の冷めやらぬ内に銀時が積極的に見舞いに訪れなかったこともわかっている。出会った当初の土方なら、事情が事情であれ問答無用で銀時を逮捕していただろう。しかし簡単にはそれができないほど、銀時と土方の時間は長く、濃密になりすぎてしまったのだった。見廻り組の手にだけは渡したくないと思ったから、人質以外のあの場の全てをくれてやったのだ。どうやら見廻り組から協力を要請されていたらしい銀時は、それもあってかそれ以上彼の立場が危ぶまれるようなことはなかった。
あの廃墟の屋上でその事実を聞いた時の土方は、言い表せない程の心の震えを感じそれが歓喜だったことを後に自身で知る。得体の知れない銀時が、自分が見込むにふさわしい男であったことに、そして自惚れてもいいと思わせるほど、それが自分のための告白であったことに。
「なんだその乙女みてぇな効果音。まぁ、確かにしたな。大物ゲットだぜ、的な感じでしたな」
「それただの逮捕的な意味じゃねぇかあああああっ」
 口に含んだ煙と共にそんな言葉を吐き出せば、あっという間に風が攫って彼方へと消えて行く。その程度で消えて行く簡単な戯言にこうして反応する銀時とて、もちろん言葉を額面通りに受け取ってはいない。それが互いにわかっているからこそのじゃれあいは、もう出会ってから数えきれない程になっている。絶叫する銀時を横目に、携帯灰皿を出して短くなった煙草を押しつけつつ、先程のため息に対抗するように大袈裟に土方は肩を落としてみせた。
「しっかし、やっすいプロポーズだな」
「ちょ!?てんめぇっプロポーズは一生に一度の男の晴れ舞台だぞコラァ!!」
「なるほど、ろくに給料稼げねぇテメェらしいプロポーズだよ」
「んだよ!テメェだって『俺がお前を見捨てるわけねぇだろ生涯面倒見てやるよ』って答えたくせに!!男の純情弄ぶつもりですかコノヤロー!!」
「人聞き悪ィこと言ってんじゃねェェェェェェ!!現実と妄想の区別くれぇつけやがれ腐れ天パ!!」
「お前は本当に俺の心を弄ぶのがお上手ですこと!!!今の時点ですっかりカカア天下だよコレこの先もひっくりかえる予定が無さそうなんですけど!!」
「そんな予定は一生無ェ。ったく…で?プロポーズの次はなんだ?晴れて目出度い結婚式、ってか?」
 今のやり取りで誰もが想像のつく将来に銀時が憂い始めたことなどお構いなしに、土方が思いもよらぬ一言を発した。その展開は銀時にとっても予想外であり、思わずポカン、と口を開いたかと思うと、腹の立つ、という形容が一番土方的にしっくりくる笑みを浮かべる。
「何だよ、わかってんじゃん」
「やんならテメェが白無垢着ろよな」
「オイオイ何言ってんのオメェ案外乗り気かコノヤロー。どう考えてもそこはオメェのウェディングドレスで確定だろーが。マイクロミニな。ついでにいやらしいガーターベルトじゃないと銀さんその場で大暴れしてやるから」
「ガキか」
 既に脳内で土方に好みのドレスを着せているのだろう。あさっての方向を向きながらニヤケる銀時に吐き捨てるように言った土方だったが、意外と脳内で銀時に着せた白無垢姿が様に成るような気がした思考を彼は一瞬で振り払った。
「和洋折衷でいいじゃねぇか。まさに今の世に相応しい感じでよ」
 妄想の世界から帰還した銀時がそんなことを言う。テメェの衣装みたいにか、と言いそうになった土方だが、確かに天人が文化に入り込んだことによりある種混沌とした今の世の中にはあっているかもしれないな、とぼんやりと思った。それならば、とことんカオスでも自分達らしい式にしてやれ、という思考が沸々と土方に湧き上がる。
「杯には甘酒入れて?」
 ニヤリと、まるで悪戯を思い付いた子供のように楽しそうな顔を土方がするから、それを見た銀時は共犯者の顔で笑った。
「入刀するケーキはしょうがねぇからマヨクリームにしてやるよ。それ列席者に配るとかどんな嫌がらせ?」
「そんであれか、健やかなる時も、病める時もって続くのか?」
「いや、先に結婚指輪の交換…だったような…」
「指輪ねぇ。残念ながら甲斐性無しには無理な話だな」
「決めつけんな!そこはオメェ、銀さん全力でやりますよ。テメェの給料3カ月分どころか5カ月分、1年分以上の指輪買ったらぁ!!」
「ハイハイ無理すんな。誰も期待してねぇから」
「ちっくしょおおおお!!今にみてろよ目ん玉ひん剥いても足りねぇくれぇ驚かせてやる!」
「まぁ、そんなモン敢えて必要ねぇとも思うしな」
「あ?」
 銀時の脳内が即座にフル回転し、短期間で高給を捻りだす計算を始めた直後、何気ない土方の一言が銀時の耳を打つ。思わず間抜けな声を出した銀時に、静かに笑った土方はそっと腰にかかる愛刀の柄を撫でた。
「指輪なんぞ交換して誓うくれぇなら、俺はコイツに誓った方が絶対だ」
 そう言うと、柄を撫でていた手でそれを握り直し抜刀する。鞘から抜き放たれる愛刀は夕陽の光を受けて橙の輝きを放ちながらその刀身を現した。良く手入れされているのが一目瞭然の澄んだ、鋭い輝きは、まるでそれを腰に掲げる目の前の男の魂そのものだと銀時は思う。思う間に、その美しい切っ先はピタリと銀時を捉えた。その奥にいる男が、ニヤリと笑う。
「健やかなる時も病める時も」
 その唇が開いたと同時に飛び出た言葉に、銀時は目を見開いた。けれどすぐに不敵な笑みを浮かべて自らの腰にある木刀を引き抜く。刀から木刀へと獲物を変えても、その芯が変わらず一本通っているのを土方は何度となく目の当たりにしてきた。その刀で、幾度取りこぼそうとも、それを超える程数多のものを護ってきたことも知っている。鉄と木という差はあれど、それを掲げる志に差などあるはずはなく、間違いなくそれは銀時の魂そのものだ。その切っ先が、むき出しの土方の切っ先へ寸分違わず合わせられる。奥の男の目の煌めきは、いつの間にか土方が捉えられていた頃よりも更にその輝きを増しているように見えた。
「雨で天パが一層爆発する時もパチンコに大負けしてガキどもにぼこぼこにされる時も」
「あ!ちょ、テメェ!ならこっちはゴリラがストーキングでお妙に半殺しされてんの見て頭痛抑えてる時もドS王子が次の嫌がらせ考えながら仕事サボってるの見て切れた時も」
「天然で男女限らず光の速さでたらしこんでる時も六股かけてる時も」
「いやそれ完全なるドッキリだからね!?俺純然たる被害者なんですけど!?んだその必死にニヤニヤしようとしてる顔!妬くならもっとはっきり妬いてくんない!?ジミーが上司の目ェ盗んでミントンとカバディで盛り上がってるとこ追っかけてボコボコにしてる時もテメェの上司が娘や将軍のことで無茶難題吹っ掛けてきて胃が痛くなってる時も!」
「手当たり次第に依頼を受けてその度に命削ってる時も会う度知らねぇ傷こさえて人が知らない場所で死にかけてる時も」
 ふと変わった土方の口調に、一瞬銀時が詰まった。酔狂としか思えないこんなやり取りの中だからこそ、言いたいことが口をついたのかもしれないと思うが、しかし土方の表情は真剣そのものだ。素直じゃねぇなぁ、思う銀時だが、自分とて負けないくらい天邪鬼であることを知っている。
「…常に攘夷浪士から命狙われて逆恨みも全部ひっくるめて抱きこんじまう時も、仕事とはいえテロの度にかすり傷から瀕死の重傷から負わされて人が知らねぇ所で勝手に逝っちまいそうになってる時も」
「マダオのクセに普段はむしろ蔑まれてるクセにそんな万事屋に愛着持ってていざとなったら連中と一緒に目ェ煌めかせてる時も」
「鬼とか呼ばれてるクセに真選組の連中といるとフォロー三昧で不器用で案外抜けててそんな真選組にすんげぇ愛着持ってて密かに笑ったりしてる時も」
 そこで、ふ、と言葉が止まった。本来なら、神父が口上する所を、この場にいるのは2人のみだ。続く言葉をおぼろげながらも知ってはいるが、口に出すには勇気がいる。おまけに似た者同士の天邪鬼では到底無理な話だろう。だから、真剣な表情にフッと息を吐いて力を抜いたその拍子に、銀時が小さく笑った。
「それが土方十四郎なんだから、俺はお前がイイんだなぁ、と思いました」
 先を越された口上に、土方の顔を夕陽が赤く染め上げる。ぶっきらぼうな表情で銀時を見るのは、明らかな照れ隠しであるのは明白で。けれど負けられないと思うのが性であり、それこそが銀時の惚れた土方なのだった。
「それが坂田銀時っつー男だから、俺ァ」
 そこで言葉を切った土方が、刀を持つ手を翻し構えた。突然のことに銀時がその動向を見守ると、まるで討ち入り前の高揚感にも似た表情が土方の顔に浮かんだ。
「心は全部、テメェにくれてやる」
「上等!俺のも余すとこなく持っていけや」
 答える銀時も土方に応えるように構えた。それを合図に、2人が動く。遠慮の無い一撃は木刀と刀が合わさったそこから空気をも揺るがし、腕から全身へビリビリと駆け抜けて行った。刀を交わすことから始まったこの関係、誓うのならば言葉より刀で、と思うのは自然なことなのかもしれない。しっかりと一点で互いの刃を受けとめた音は、さながら祝福の鐘だろうか。
「…本当、良く折れねぇなその木刀。中に鉄かなんか仕込んでんじゃねぇのか」
「馬鹿だねお前、オメェ受けとめるのに折れてちゃカカア天下確定だろーが。これでイーブンってことで」
 感心するように呟いた土方に銀時が肩を竦めた。それに鼻を鳴らすことで応えた土方。それが合図のように、2人がそれぞれの刀を引く。
「あーあぁ、マイクロミニのガーターベルトなウエディングドレス用意しときゃ良かったぜ」
「着ねぇぞ」
「俺が白無垢着たら着るんだろ?」
「…冗談に決まってんだろーが」
 それぞれの腰へと刀を収め、歩きだす姿はまるで何事も無かったかのようだ。やはり半歩先を行く土方が、再び煙草を取り出して火を付けた。
「ンな酔狂なこと、今日以外やらねーぞ」
「まぁ、俺もそんないやらしいお前の姿を大衆の目には晒したくねーし。勘弁してやるよ」
「格好だけじゃなくてだな」
 暗に、結婚式のような真似ごとをもうしない、と土方は言っているのだろう。銀時からは見えない表情で、恐らく彼は先程のやりとりを改めて思い出し恥ずかしさを感じているのかもしれなかった。けれどそれは銀時も同じであり、あんなこと到底人前でなどできはしないと思う。
「いーよ。結婚式なんて2度3度やるモンじゃねーし。それに、ちゃんと証明してくれるやつらもいるわけだし」
「は?」
 突然足を止めて振り向いた土方に、少しばかり顔を赤らめていた銀時は慌てて横を向いて誤魔化した。まさか先程のやりとりに目撃者がいるのかと肝を冷やす土方に、横を向いたまま銀時が指を差したのは、空。
「お天道さんとお月さんが見てただろーが。あいつらに見られてちゃ嘘つけねーでしょ。俺らより絶対ェ長生きだし」
「長生き…そういう次元の話じゃねぇと思うが」
「俺らの世なんざいつ何が起きるかわかんねーもんよ。だが、あいつらは何があっても変わりゃしねぇ。そいつらが証人てだけで俺ァ満足だよ」
 そう言いながら笑う銀時の顔は、土方が好きなものだった。不思議なことで、なぜだか銀時という男には説得力がついて回る。それがたとえ馬鹿げたものと鼻で笑われるようなことでも、この男が言うと本当にそうだと思えてしまうのだ。本来なら煙でも吹きかけて「ばかじゃねーの」とでも言ってやる土方だったが、この時ばかりは銀時の言葉がストン、と胸に落ちた。
「じゃあ、今後六股だの七股だのかけるようなことがあったらテメェに容赦ない天罰が下るってことだな。上等じゃねぇか」
「だからそれ引きずるのやめてくんない!?だあああっもう、素直に妬きましたって言えない土方くんにはお仕置き決定!!コスプレできるラブホで花嫁衣装を更に真っ白に染めてやっからな覚悟しとけよ!」
「上等…なんて言うと思うかこのクソ天パアアアアアアア!!!」
 たちまち周囲に響く大絶叫。後ろから銀時が土方に抱きつけば、土方の容赦の無い鉄拳がその頭を直撃する。それでも懲りずに腰を撫でると、叩っ斬るとばかりに抜刀しようとする彼の唇を銀時が掠め取って、逃げろとばかりに駆けだせばそれを間髪入れずに追う足音。遅れてきた青春さながらのそんなやりとりは事件前と何一つ変わらぬ様子で、彼らを知る人達に見られれば『恥ずかしい大人達』と言われること必至だった。
 もちろん、『あの人ららしい』、という大前提の元で、続く言葉は『お似合いですね』、である。












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