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ラグナくんのはじめて物語*2*

「…ラグナの、勃ってるな、」
「へぁ!?ッヴァン、ちょ、おまえ、」

胡座をかいたままの股間に顔を埋めるように這い蹲ったヴァンが、呟いてから、オレを見上げる。下着越しでも分かるその膨らみは間違うことなど決してないオレの大事な息子で…うんオレもまだまだ若いようだな!ってうわわわわー!恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!言われると尚更恥ずかしい!そんなオレを置いてきぼりに、ゴーイングマイウェイなヴァンくんは下着をずらしてオレの息子を引きずり出した。オレの恥ずかしさゲージはもうとっくに振り切れた。
これ以上ないくらい、恥ずかしい、ってのに。ヴァンは、

「や、やめなさい、ヴァン、そんな…んッ!」
「ん…」

迷うことなくそれを口に、くわえてしまった。
お口でご奉仕とか!!どこのお店だ!!おじちゃんはヴァンくん、キミをそんな子に育てた覚えはないぞお!とか考えるのはやっぱり現実逃避だった。そうでもしなきゃ、でもなきゃ、 

「っく…〜ぅっ…!」

気持ちよすぎて、声、我慢できなくなっちまう…!
最初はでっぱってる所だけを口んなかでちゅーちゅーしたりれろれろしたりするだけだったのに、だんだんヴァンのサービスがエスカレート、してって。唇窄めて出し入れされたり、舌で裏の筋こりこりってされたらもうたまんないって…!耐えられなくなって胡座から両足を立ててみたけど、そしたらヴァンに無理矢理開かされて…その間も勿論お口のご奉仕は止まらない。先っぽんところ舌でくりくりしたあと根本んとこくわえてそのままついーってされて、も、イきそ、で、
離せって、言いたかったけど。両手で、口、抑えてないと、マズイって、おもって、
その辺りは同じ男、だからだろう。さっきまでいろんなとこ舐めたりしてたヴァンくんが、また、その、くわえ、て。じゅぽじゅぽ音がするくらいに、吸い上げながら、オレの、出したりいれたり、して。そうされたらもう駄目だった。背筋が強ばる。足、足が、内股が、震える。きもち、い、やばい、も、でる、でる、イっちゃうって、無理、も、でる!!

「ん、んんっ、あ、ああッ!!」

我慢、できなくて、ヴァンくんの口に出してる間、も、じゅるじゅる吸われるもんだからたまったもんじゃない。ああ、もう、で、ちまった、だし、ちゃった…ああ。なんて、思ってると、ヴァンがゆっくり顔を、上げた。口元には見るからにねばねばしてそうな液体がべったりついてて…そんで。…ん?

「っは、はぁっ、は…んっ、」
「ラグナ…」

親指で口元を拭ったヴァンくんはそのままオレの頬に口づけをひとつ、して。そのまま抱きついてきて。オレも上がった息を整えようと深呼吸、する。んで、ふと自分の足下をみた。…ない。辺りにそれらしきものは…ない。ま。ま、まさか…こいつごっくんした!?
一発抜いて、冷静になったオレ。『初めて』の『年下の子』に、『お口でご奉仕』させた挙げ句『ごっくん』させたラグナ・レウァールくん二十七歳ってのはオレのことである。…さ、最低だぁああああ!!
これはマズイ。これはやばい。焦りにも似た感情が、オレの胸を支配する。でも、それ以上に。
でも。こんなにつくしてくれるなんてって、コイツの一生懸命さにまた胸がきゅんとしたのも事実、で。よし、次はオレもコイツのこと気持ちよくしてやろうって、オトコなのにオトコのを受け入れようって決心してくれたこいつの初めて、有り難く頂戴しようって、思った。そうだ。オレはコイツが好き、なんだ。恋人ごっこじゃなく、本気で。この世界で出会ったこの少年を、ヴァンくんを。男とかそういうの関係なしに、好きに、なったんだ。
ヴァンを抱きしめる。この子はオレのだ。オレの、大事な、恋人だって思って…そして、ヴァンを押し倒そうと−

「…え?」

…したら逆に、押し倒されていた。ううん?なにこれどういうことだ?

「えっと、ヴァンくん、ちょっとちょっとタンマ、」
「なに?」
「素朴な疑問なんだが、えーと、その、あれ、…オレが下?」

ムードもへったくれもない、と重々理解している、けど。さすがにこれ以上サービスして頂くわけにはいかない。というか、初めての子がそこまで至れり尽くせりだと『ホントに初めて?』なんていらん疑問を抱いてしまう。いや、おじさん処女じゃないと駄目とかそういうんじゃないけどね?違うからね?
というかこれじゃ流石に駄目だろう。大人のオトコとして、ここはしっかりキメなければ、と思うというか。
そんなコトを考えながらヴァンを見上げると、ヴァンはやっぱり真面目な顔をしながらオレを見ていた。
そして、

「嫌?オレは別に下でもいいけど。



…ラグナが乗っかって腰振ってくれるなら。」

って、言った。

「はいいいいいー?!?!何それどういうことなの!おっ、オレが!その…オレが、キミのむっ、息子さんをそのー、受け入れ…的ななの…?!」
「うん。ラグナが突っ込まれる方。」
「ぬぁああああにぃいい!?」

ええええええええええ!?何々それどういうこと!?思わず声を大にして叫んでしまったがそれは仕方ないことだと容赦してもらいたい。だって、だって!今コイツなんて言った!?オレ、オレが、下!?つっこまれる、方!?要するに女の子役ってこと!?
若干パニクるオレを華麗にスルーし、ヴァンくんはオレの両手をがっちり掴んで押さえつけたままキスしようとしてくる。させるかって首をよじってキスを躱すと、珍しくヴァンが舌打ちをした。わーこわーい!今後の展開が怖い!!
と、とにかくこのままじゃマズイって思ってオレは思いっきり抵抗した。だって、だって!

「ちょっ、ちょっ、ちょ待てよ!!ていうか待って!お願いぃ!!オレまだ覚悟!覚悟が!!」
「なんだよ覚悟って」
「オレ、おまえを抱く決意は固めてきたけどおまえに抱かれる覚悟はできてねーのっ!!つーかどう考えたってオレが抱く方だろ常識的に考えて!!」
「そっか。大丈夫だって痛くしないから。」
「人の話を聞きなさい!」

女の子役ってことは、その、お、おしりに…!!さー、って音が聞こえるくらい、血の気が引いていくのが、分かる。むむむむむり!いくらヴァンくんが好きだからって、怖いし!!おじさんの喘ぎ声なんて考えただけで自爆しそう!!
そんなオレの必死の抵抗も馬鹿力なヴァンには敵わず、ヴァンはオレの手を解放しようとはしなかった。そればっかりか出しっぱな息子を膝でぐりぐり〜って…やべ、きもち、い…って流されてたまっかぁあああああ!!!

「うん、わかったから流されろよ。」
「まままままままって待ってお願いだから後生だからあ!!」
「うん。オレ、ラグナの一生請け負う気で居るから。」
「イケメン台詞だけど今この状況で言われてもうれしかねぇよ!おじちゃん虐待反対!尊敬と敬愛の念をもって年上の意見を尊重して!!」
「そうだな、オレの全てをかけてラグナを気持ちよくしてやるから安心して任せろって。」
「任せられっか!大体お前初めてなんだろ?どーてーに処女ささげられっか!」
「よかった。ラグナ処女なんだ。オレがラグナの初めて、もらうんだな…、」
「ひぃいいい!?やめ、やめて!!誰かたすけてぇええええええええええ………」


*****


結局。
夜中に何を騒いでる!とテントに殴り込んできたライトニングくんによってオレの貞操は守られたわけだが、それと一緒に『彼女からの存在するかしないかの、ほんのちょっとしか存在していなかった信頼』を失った。朝になってカインとジェクトが両脇に立って、それぞれ『おまえはよくやった…』とか『まあなんだ?とりあえず、お疲れ…』って言ってくれたけど、ヴァンくんはいつも通りで(それが逆にこわい!)ライトは挨拶すらしてくれなくて、…うん、当たり前だよな。抵抗してる時に殆ど服を脱がされてたおかげで、ライトは全裸に近いおじさんが青少年に押し倒されて涙目になりながら助けを求めてる様を目撃しちまったんだから…。
ようやく自覚したこの気持ちを伝えるつもりでいたら、思わぬ思い違いをしてこんなことになってしまったというのに、そんなオレの憂鬱など関係なく空は青いし天気はいい。あー、良い天気。オレおじちゃんだからなんだかもう、涙が出そう!


まあそんな感じ、で。
オレとヴァンくんの初めて、は。一線を越えることなく、ライトニングという可哀想な犠牲者を生み出すという結果に終わったのである。おしまい!


*****
120310

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