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case number: 01



ホストパロ

ニクス:ホスト
士朗:ホスト


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堅っ苦しいネクタイを人差し指一本で緩め、ジャケットのボタンを外す。
すれ違い様に挨拶してきたアシスタントの鉄火に手を振りつつ、広い通路を抜ければ、先に待っていたのであろう同期の士朗が、腕を組ながらいつものように俺を睨みつけてくる。



士朗。
誠実キャラで俺とは真逆のタイプの人間。
もちろん奴のネクタイはばっちり締められていて、ボタンもきっちりとめられている。
銀色の髪と空色の瞳。
外見的にも内面的にも正反対な俺達は衝突も多かったけれど、俺はコイツが嫌いじゃなかった。



「遅いぞニクス。お客様を待たせるな。」

「へっ、どーせ金持ちババア共じゃねぇか。少しぐらい焦らしてやった方がいんじゃねぇの?」

「…まあいい。いくぞ。」



細部までこだわりにこだわった、美しい細工の施された扉を押し開けば、そこは薄明るくも煌びやかな光に満ちていて。


「今夜の指名数勝負、俺が買ったら牛丼茶漬けな」

「俺が買ったら猫缶。」



一夜限りの戯れを、今日も俺たちは演じ続ける。

何も残らないと知りながら。
孤独を埋めるように、塗りつぶすように








******


ニクスと士朗。



(crow69拍手文でした。)


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