「レンお買い物いこー!」
「んー」
レンの生返事があたしへ返ってきた。何せレンはずっとテレビゲームしてるのだ。
遊ぼって言っても遊んでくれない。
レンのくせにあたしの相手してくれないなんてむかつく!
「ねーレン。お散歩でもいいから外行こうよ」
「んー」
「ねーねー」
「んー…あ!!」
「あっ?」
「・・・」
おそらくゲームの中で何かあっただけだろう。それしか考えられない。うん。
むかつく!むかつく!こっち見てくれないしまったく目も合わせてくれない!ゲームとあたしどっちが大事なのよ!?ゲームなの!?
「ゲーム止めて!」
「・・・あと3分」
「そんなこと言ってあと10分はやるくせに!」
「・・・」
だって何時間もずっとこうしてる。
止める気ないのあたしだってわかるよ!
ばっ
「な、邪魔だよリンのばか!あー!やられた!!畜生!!ボスだったのに!!」
あたしはテレビの前に立ち塞がって、画面を見えなくした。その時はボスで、あたしのせいで負けてしまったようだ。。
でもあたし悪くない!相手してくれないレンが悪い!
余程ショックだったのか、レンは放心状態でテレビの前に立つあたしを見ていた。
「レンが悪いんじゃん!レンのばか!」
「はあ!?意味わかんねえし!」
違う、違う。こんな喧嘩がしたいんじゃなくて。何で伝わらないんだろう。ただレンと遊びたかっただけなのに。
ぐって目の奥が熱くなって涙が出てきた。
「なっ泣くなよ」
「…泣いてないもん!」
「いや泣いてるし!!」
一度溢れた涙は止まらなかった。あたしは泣きたいじゃないのに。
レンが凄くあわててて、少し面白い。
でもあたしはレンがこっちを見てくれて嬉しいんだ。
「ゲームに集中してたのは悪かったよ…ごめん」
そう言ってレンは優しく頭を撫でてくれた。レンが優し過ぎて止まりそうだった涙がまた止まらなくなる。
本当は邪魔してたあたしが悪いのは分かってる。せっかくのオフだったのにレンの至福のゲーム時間を無くしたんだ。ゲームの邪魔して、我が儘言って、泣いてレンに迷惑かけるなんて、どれだけあたしは子供なのだろう。
「違うの…あたしが悪いの…レンに構ってほしかったの」
「…っ」
「だって…レンが相手してくれないから!寂しかったんだもん」
レンの顔が一瞬にして真っ赤に染まり、頭にあてられていたレンの腕があたしの背中に回る。あたしはレンに抱きしめられていた。
レンに抱きしめられるのは好き。暖かくてとても安心する。
「…ごめんな」
「レンは悪くないよ。あたしこそごめんね」
「今からどっか行くか?」
「ううん。このままがいい」
「ん。そうしよ」
遊びに行きたいわけじゃないの。レンと一緒にいれればいいの。
だってレンと一緒にいることがどんなことよりも楽しいんだから!
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つまりリンはゲームに嫉妬してたんです
2011.02.13