双子設定
少し病んでます。
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離れられない人がいる。離れたくない人がいる。それは双子の弟だった。友達に変に見られたって気にしない。双子だから何?一緒に生まれただけじゃない。
「俺たちは2人で1人だろ?」
「うん」
「きっと、生まれる前から」
「そうだね」
「だから一生離れるなんて無理」
「はは、あたしもだよ」
「てか、一生離してやんないよ」
「あたしだって」
お互いの手を絡めて見つめ合う。身体を寄せれば暖かくて、あたしたちは2人でなくもともと1人だったのだと実感する。生まれる前、前世というものがあるなら多分前世から。
「誰かに何言われたって俺達は変えられない、変えてやんない」
「レンが好きだから変えないよ」
「俺だってリンが好き」
唇を合わせてさらに1つになる。でも足りないの。もっと近くにいきたい。もっと1つになりたいの。交わればさらにレンを感じられることに喜びを実感する。
幼いころからずっとしてきた行為に罪悪感なんて感じない。だってあたしたちにとって普通のことだから。
一緒に生まれたんだ。死ぬまでずっと一緒よ。
「死ぬときは一緒よね?」
「当たり前じゃん」
神様の悪戯なんかじゃない。神様が生まれたときから一緒にしてくれたのよ。1日でも離れたことなんてない。きっと運命だと思ってる。まるで私達はつがいのように離れられない。もし片方がいなくなったら、追いかけて死ぬわ。だってあたしたちは1人では生きられないのだから。
レンの首にそっと触れれば、レンも私の首に触れた。力を込めるとレンの唸り声が聞こえて、あたしも息苦しさを感じた。あたしの首も絞められてる。苦しみも全て一緒に分かち合いましょう。
「愛しくて仕方ない。それならば、ここで 」
そう言ったのはどちらだったか。
20110220