歩いた道筋



例えば車に轢かれそうな猫がいたとします。かわいらしい子猫です。助けますか?
え、それだけでは助けない…そうですねでは付け足しましょう。その子猫を見ていたのは、無類の猫好きでした。そう…助けること決定ですね?
そんな訳で、私は子猫を庇って死にました。いやもうたった一瞬でした…走馬灯?そんなの見えませんよ一瞬でしたもの。子猫は助かったのか否かは知りません。多分、しっかりと抱きかかえてたので大丈夫だと思います。

…え?
じゃあお前は幽霊か死人か?いいえ違うんです。さっきまでのお話は十数年前の記憶です。まあ所謂転生トリップしました。かの有名なテニスの王子様に。気付いた時はまだ0歳…気味悪がれないようにするのが精一杯でした。オムツやら何やら恥ずかしい上にまた小学生をやり直す…とても面倒でした。ところで私が何故ここがテニスの王子様の世界かわかったかと言いますと、跡部財閥は思っていた以上に有名だったんです。そしてもちろん我が家はお金持ちでもなければ貧乏でもありません。ごく普通の家庭、ごく普通の優しい両親の元に産まれました。私もごく普通に育ち近くの公立の小学生へ通いました。
周りの子と違い中身は大人な私は大和撫子を演じました。誰にでも優しく、均等に。それでいて記憶があるので成績は上々。小学生はまだ子供なせいか嫉妬されたり、蔑ろにされることもなく…みんなのお姉さん的な存在でありました。みんなかわいいです。

さて、そこで問題がおきました。成績が優秀な上に大人っぽい…なんと言うか模範生の様な私にどこから情報が漏れたのかわかりませんが、氷帝学園中等部から是非我が校へ特待生として来ませんかとお誘いを頂きました。…なんてフラグでしょうね。困りました。
そんな私とは逆に、私の両親は大喜びです。自分のことのように喜んでくれました。お友達も喜んでくれました。みんな私の背中をおしてくれます。学校の先生達はまぁ、立場的に喜んでた方々と純粋に喜んでた方々がいらっしゃいました。
そんな期待に満ちたみなさんを裏切る事はできず、誘いを受け試験を受けました。見事トップ合格です。


そんな訳で今日から通うのが目の前に佇む、氷帝学園中等部です。


 


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