※綱海先輩が円堂くんたちと出会ってません



体育館中に響き渡るのは今日まで毎日練習してきた卒業生に贈る歌。お世話になった先輩に、部活で厳しく指導をしてくれた先輩に。在校生、一人ひとりの心には、今誰の顔が浮かんでいるのだろう。私は、大好きだった、たった一人の先輩のためだけに歌う。



Spring


はぐれた。確実に。制服に浮かれていたのがいけなかった。初めて袖を通したブラウスのパリッとノリの効いた感覚。繊維というかなんというか、真新しい制服の匂いで肺をいっぱいにして、興奮していた私がいけなかったのだ。人見知りとか大人しいなんかとは一番縁のない性格をしていたから周りの目も気にせずはしゃぎまくり、一緒に来ていた両親には呆れられ、学校につくと同時に今度は海の上にあるその校舎を見てさらにはしゃぎ、まるでテーマパークに来た子どものように喜びまくっていた。大海原中学校入学式。はしゃぎにはしゃぎまわった私は家族とはぐれ、つい先日まで小学生だった私にとって広すぎる校舎は容赦なく私を混乱させる。単純に言えば迷子である。



「おかーさん…」



子どもって困ったときとか本当にどうしようもない時ってお母さんのことを呼ぶものではないだろうか。まったく知らないところに一人だけ、ぽつんと佇んでいる。校舎の中なんだろうがさっぱり自分の位置がわからない。入学式がこれからだというのにみるみるうちに涙が盛り上がり、なんと鼻水まで垂れてくるではないか。時間もわからない。ここがどこなのかもわからない。入学式はもう始まってしまったかもしれなかった。どちらにせよ、どうやら私は中学入学式からやらかしてしまったらしい。



「どうしよ…」
「お、どうした!新入生か?」



廊下で一人俯き、涙がぽたりと垂れた瞬間、背後から声をかけられた。ボリュームのある特徴的なピンク色の髪にゴーグル、日に焼けた肌で何かスポーツをしているのかと推測できる。おまけにこちらに向けられる満面のさわやかな笑み。絶対スポーツをしてる人だ。少しくたびれた制服を着ているところから見て上級生なのだろう。助かった…と安心した瞬間、止まると思われた涙は予想を裏切って次々と頬を滑っていった。



「うおっ、大丈夫か?」
「…っう…ぇ…」
「お前…迷子だろ!な?もう大丈夫だから、」



少し乱暴な口調、けれど威圧している感じじゃない。一瞬不良かもとか思ったけれど(だって恐らく入学式をしているはずなのに彼はここにいる)たぶん、いい人だ。ぽんぽんと頭に大きな手のひらを置かれ、瞼に乗っかっていた水滴までがその反動で落ちていく。

彼の人差し指は本当に触れるか触れないかのところで優しく私の涙を拭い、自分の涙を拭うのに必死だった私の手をふんわりとつかんだ。その一連の動作にあっけにとられている私は彼についていくしかない。優しそうに見えて実は怪しい人だとか、入学式に合わせて変装して侵入してきた変質者だとか、そんなことをもし言われたとしてももう遅い。歩くたびにふわふわと揺れる彼の髪の毛の動きを私はただぼんやりと眺めているしかできなかった。
泣くなって、と苦笑気味に慰められ、その下手くそな励ましが妙にうれしい。私は、私を引っ張って行ってくれる硬い掌をギュッともう一度握りなおした。







無事に入学式を終えた翌日、今度はちゃんと学校に登校した。もう同じ轍は踏まないと心に決めた登校初日、わたしはむやみやたらに騒ぐでもなく、かといって大人しくしていたわけではなかったが、迷うことなく自分のクラスの自分の席にたどり着いた。

結局昨日、私たちが体育館に着くころには式は中盤に差し掛かっていてはいたが、私は入学式に難なく途中から合流することができた。式が終わってから両親に会いに行けば、てっきりもう体育館に行ったのだと思われていたらしい。あの先輩は、気づいたらいなくなっていた。去り際に「ばれたらやべぇよなー」と呟いていたあたり、やはり入学式をサボっていたのだろう。彼に言われるまま入学式に途中参加した私は当然彼の名前を聞くタイミングを逃し、今に至る。



「かっこよかったなー…」



颯爽と現れ、私が状況を理解しないうちに助け終えてしまった彼。こちらまで安心してしまうような笑みと、私の手のひらをすっぽりと包み込んでしまった大きな手のひら。上級生ってどうして無条件でかっこいいものなのだろう。




Summer


綱海先輩は休日になると朝から晩まで海にいるのだそうだ。サーフボード片手に朝焼けに輝く沖縄の海に繰り出し、夕焼けの沈む真っ赤な地平線を眺めながら帰路に着く。そんな理想的で夢のような生活を実現してしまった先輩が心底羨ましい。



「海はいいぞー!」
「知ってます」
「じゃあお前も来いよ!」
「無理ですよー…」



中学に入学してから、私の成績はあまり芳しくない。両親はこのままではよくないと私を塾に通わせ始めた。しかも毎週土曜日。学校が週に6日間あるようなものである。土曜日にたんまり出された宿題を片付けるために日曜日は家にこもらなければならず、毎週綱海先輩と一緒に海に行くことは結構つらい。ただでさえ平日だけは勘弁してくれと頼みこみ、塾の日数を減らしてもらっただけにサボるわけにはいかず、宿題をすっぽかす気にもなれなかった。私は根っからの真面目ちゃんなのである。

対して綱海先輩は暇な時間があれば大抵海にいる。土日もほとんど。そんなに海にいたら体がしょっぱくなっちゃってふやけちゃうんじゃないかって思うほどだ。趣味のサーフィンに明け暮れている先輩はとっても輝いている。日に焼けた肌と笑うと見える白い歯のコントラストがすっごいさわやか。
それに比べて、中学校入学に瞳を輝かせていた入学当初の私は一体どこに行ってしまったんだろう。



「先輩は成績悪くて怒られたりしないんですか?」
「あー、ちょくちょく小言は言われるかな」
「なのにサーフィンするんですか?」



やりたいからやるんだぜ!と叫ぶと綱海先輩はまた海に向かって走って行ってしまった。何とも元気な人である。砂浜にぽつんと一人で体育座りをして、黙って果敢に海に立ち向かう綱海先輩を眺める。ちっぽけなたった一人の人間がこれまた小さな板一枚持って打ち寄せる波に立ち向かおうとする。そんなたいそうなことをやってのける彼がやはり、羨ましい。

なんて能天気な人なんだろうという呆れと、なんて身軽な人なんだろうという憧れが半分ずつ。その奥でじりじり育っていくこの気持ちになんて名前をつけたらいいのか。いや、本当はわかっているのだ。ただ、怖いだけ。上級生という未知の存在とそれにわけもわからず翻弄されている幼い私。あの日からだ。あの、入学式から。
綱海先輩はずるいと思う。入学式から数か月たったけれど未だに私の心を離してくれない。彼は出会ったあの日に何の気なしに私の心をさらって行ってしまったのだ。




Autumn


入学式とか懐かしいなー、と綱海先輩が空を眺めながら可笑しそうに笑った。こちらとしては忘れてほしい思い出である。広い校舎で迷子になった挙句、不安に泣いてしまった私を救い出してくれた先輩。先輩との出会いは大切な思い出だったけれど私は今でも恥ずかしい。あれからまだ一年もたっていないのである。あのときの想いは未だに鮮明に思い出されるというのに。



「綱海先輩は進路決めたんですか?」



3年生にとって大切だと言われる受験の夏は終わり、季節は秋に差し掛かろうとしている。私は今まで一度も先輩が勉強しているところを見たことがないので、実際彼の進路状況がどうなっているのかずっと疑問だった。もちろん大切な話だから気軽に聞けるわけでもなく、むしろ思い切って軽いノリで聞いてしまった方がよかったのかもしれないが私はそこまで器用ではない。
綱海先輩は私の問いかけに彼らしくない笑みで答えた。いつもの輝く太陽のような豪快な笑みではなく、どちらかと言えば闇夜に浮かぶ月の魅惑的な笑み。彼はその笑顔で一瞬にして私の声を奪ってしまう。もちろん、もう一度同じことを問えるはずがなかった。



「俺の進路を聞いたらたぶんお前は泣くんだ」
「え?」
「だから、言えない」



それ以上の追求は拒否されて、この話は終わった。でもそんなこと言われたら余計に気になるじゃないですか。叫びだしそうになる身体を、ぐっと手を握りこむことで抑える。

先輩は不器用だ。嘘も、誤魔化すことも下手くそで、なんでも豪快に笑い飛ばしてしまった方が彼にとっては楽であるはずなのに。

もうすぐ沖縄にも冬が来る。もちろん雪は降らない。けれども鈍色の空は気分を重くさせ、海から届く冷たい風は容赦なく私たちを吹き飛ばそうとするだろう。




Winter


日が落ちるのも随分早くなったと思う。放課後になるともう太陽は沈み、辺りは闇にぼやけていく。生徒たちは冬服に身を包み、道行く人は体を小さく縮めながら足早に過ぎていく。マフラーを巻いて寒そうにしている人もちらほらと見かける。逆に、彼氏彼女と手を繋いで二人だけの世界で暖かそうにしている人たちも。もちろん私は前者である。
街灯がさみしく照らす帰路を一人でとぼとぼと歩く。今日は運悪く手袋を忘れてしまったから両手はコートのポケットの中。今日はここ一番の冷え込みになるでしょう、と今朝のニュースで天気予報のお姉さんが言っていた。薄暗く、侘しい帰路は私を物思いにふけさせる。

そういえば最近綱海先輩と会っていない、と気づいたのは確か一週間くらい前だった。もちろん冬はさすがに先輩もサーフィンができないから毎週日曜日に会えていたのは数か月前からなくなっている。それでも廊下ですれ違ったり昼休みに購買で会ったり、偶然一緒に帰る、なんてことも時々あった。なのにここ最近その偶然がさっぱりなくなってしまったのだ。もちろんその偶然がなくなってしまったことすら偶然なのかもしれないけどこちらとしてはその度々の偶然を大切にしていたのだからそれがなくなってしまったことに気づくのもそう遅くはなかった。



「綱海先輩…」



小さな呟きも霧散して消えていく。街灯に照らされた私の影が歩みに合わせて動く。道路の先まで伸び、それからどんどん縮んでいき、消えてしまい、そしてまた伸びていく。その動きをぼんやりと眺めながら歩いていると気づけばもう自分の家。結局何も解決しないまま、事態はよくも悪くもならない。







「綱海先輩、学校に来てないらしいよ」



情報通の友人からの言葉に私は唖然とした。学校に来ていないっていったいどういうことなのか。病気?けが?それとも家庭の事情?様々な憶測が脳内を飛び交う。けれど、混乱する頭の隅で納得している自分もいた。だから綱海先輩と会う機会が減ってしまったのだ。明確な理由を得ていくらか浮上した私の心はなんて身勝手なのだろう。もしかしたら先輩の身に何かあったのかもしれないのに。



「なんで…?」
「先輩もう進路決まったんだってー」
「え!?どういうこと?」



いくらなんでも早すぎないだろうか。他の3年生たちはまだ猛勉強の最中だとこの前担任の先生が言っていた。むしろ追い込みの時期だと。実際に3年生の教室のある階に行くと廊下に出ている生徒もいないし全体的に殺伐とした空気が漂っていて非常に居心地の悪い思いをする。受験のシステムはまだ1年生の私はよく知らないけれどさすがにまだ、早いんじゃないだろうか。



「私もよくわかんないけど進路決まったからもう学校には来ないんだってー」
「そう、なんだ…」



友人は特に気にした様子もなく私に先輩のことを教えてくれる。恐らく彼女にとって先輩の優先度は低いから、情報もそんなに拾ってきていないのだろう。彼女から教えてもらえたのはそれだけだった。先輩はもう学校に来ないという事実。それは私とはもうほとんど会えないということを指している。だって、たとえ世界は狭いとしても、そのうちの小さな島国のそれまた小さな県の話であっても、ばったり偶然会うだなんてそうそう起きることではない。以前偶然出会えていたけれどそれも通学路とか、休み時間とか、学校内での話だ。それに、会いたいと思っている人に限って会えないものなのだ。

私は綱海先輩の家も知らなければ、彼のこれからのことなんて全く知る権利すらなかったのである。そんなことに今更気づくなんて、馬鹿としか言いようがなかった。結局、彼にとって私はただの後輩で、きっとそれ以上にもそれ以下にもなれない存在。未来でも綱海先輩と関わっていたいだなんて、なんて傲慢で愚かな願いだったのだろう。私はたぶん、綱海先輩と「今」しか関わることの許されていない存在なのである。






Spring


体育館中に響き渡るのは今日まで毎日練習してきた卒業生に贈る歌。お世話になった先輩に、部活で厳しく指導をしてくれた先輩に。在校生、一人ひとりの心には、今誰の顔が浮かんでいるのだろう。私の頭に浮かんでいたのはただ一人、幼かった私を助け出してくれたヒーローだけである。



「先輩」
「お、久しぶりだな」



本当に久しぶりに、綱海先輩に会った。本当は卒業生入場の時に穴が開きそうなほど見つめていたのだけれどやはり先輩は鈍感で、まったく気づいていなかったらしい。久々に見た先輩は特に以前と変わったところはないと思う。強いて言うなら少し逞しくなっただろうか。まだまだあどけなさは残るけれど、顔つきや筋肉とか、中学の制服の窮屈さとか、すでに高校生と言われても違和感はないように思う。

先輩が学校に来なくなってから数か月後、めでたく3年生は卒業式を迎えた。今日という日にふさわしいはずである桜はとっくに散ってしまっている。代わりに卒業生の胸には卒業を祝う造花が飾られている。



「最後…」
「ん?」
「本当に全然学校に来てくれませんでしたね」



恨みを込めたわけではないけれどやはり先輩がいなくてさみしかったというのはある。もちろん私に何かを言わなければいけない義務があるわけじゃない。でも、少しくらい、何か伝言があってもいいんじゃないかと思わずにはいられないのだ。



「おー、悪かったな。いろいろ忙しくてよ」



罰の悪そうな先輩の困ったような笑みに、数か月前の私の心まで溶かされてしまいそうになる。しかし、聞き返さずにはいられない。やはり、私はこの人が好きなのだ。きっと、どうしようもなく。



「おう、俺さ、沖縄出ることにしたんだ」
「…え?」


先輩が言うには進路が早く決まったのはスポーツ推薦で高校が決まったかららしい。その一人暮らしの準備のせいでいろいろと忙しく、ろくに学校にも来れなかったそうだ。

予想外の言葉。どういうこと、いつの間にそんなことになっていたのだろう。綱海先輩が沖縄から出ていく、その言葉はとても現実味がなかった。先輩が楽しそうに未来のことを話している。けれど、彼の言葉は私を素通りしていった。うまく情報が処理できない。沖縄から綱海先輩がいなくなる。あの、一番海の似合う、太陽のような人が、ここから。



「なかなか言い出せるタイミングがなくてよ、わりぃ」



今更謝ったところで、と意地の悪い部分が顔を出す。何もこんな日に言わなくてもいいじゃないか。空は快晴、雲一つない。体育館に響いていた卒業生に贈る歌のメロディーはまだ耳に残っている。このまま、快く送り出そうと思っていたのに。
あの冬の日に感じた私と先輩との壁、それを思い知ったからこそこの思いは内に秘めて、美しい思い出にして、大切に大切にしていこうと思っていたのに。先輩がここからいなくなるだなんて。そんなの、想定外だ。

せめて一言だけでも伝えさせてほしいと願ってしまう。私を忘れないように、私との出会いを、過ごした一年を、あの美しい砂浜で語った日々を、どんな形でもいいから先輩に覚えていてほしいと望んでしまう。



「せんぱ、」
「てかよ、入学式にビービー泣いてたやつがこんなに大きくなるなんてなー」
「つな、」
「俺も安心したわ」



何も、そんなきれいに笑わなくてもいいじゃないか。先輩は私の頭に手を置いて、ぐりぐりと撫でまわす。やめてと言っても放してくれず、しばらくそのまま、私はされるがままになっていた。せっかく卒業だからとセットしてきた髪も先輩のせいでぐしゃぐしゃだ。これではまるでオシャレに興味のなかった小学生のころの私の様。大きな校舎にはしゃぎ、親とはぐれ、泣きじゃくっていたあの時の私の様だ。

言いたい。好きだって言いたい。あの瞬間から綱海先輩が好きなんですって。幼い子供の戯言だととられるかもしれない。もしくは刷り込みだとか、それは恋ではないだとか。二つも年上の綱海先輩からしたらそんな告白、まったく心が揺れないのかもしれない。けれど、言わせてほしい。



「あの、先輩」
「なんだ?あー、髪ぐしゃぐしゃだな、わり」
「せんぱい…」



手櫛で不器用ながらも私の髪を整えようとしてくれる大きな手のひら。この逞しい掌と手を繋いでみたかった。ここは暑いから手汗をかいてしまうかもしれない。暑いから勘弁してくれと断られたかもしれない。けれど、確かに私は望んでいたのだ。

唇をかみしめる。今更後悔したってもう遅いのに。溢れそうになる涙を必死でこらえ、何も言い出せず、俯いてしまった私を見て先輩は何を勘違いしたのか、突然その大きな身体で私をぎゅっと抱き寄せた。厚い胸板。海の匂い。硬い筋肉はもう大人のそれのように思える。
わけもわからず慌て、もがく私をほんの少し押さえつけて先輩は少し笑った。



「妹みたいに思ってたぜ」



先輩は残酷だ。優しいくらいに残酷だった。
多分私が泣きそうなことも、私が彼に好意を寄せていることも気づいているのに、今、この瞬間、私が何を言おうとしているのか、きっとわかっていたのだろうに。たった一言で私の言葉を封じてしまう。

もがくことをあきらめた私をそっと放し、綱海先輩は豪快に笑った。



「そんな顔すんなって!お前のことは絶対忘れねえよ」



うれしいと素直に喜んでよかったのだろうか。今日、ずっと言ってほしかった、望んでいた言葉。それなのにすごく胸が苦しい。息が詰まるとはまさにこのことなんだろうなと頭の片隅で冷静に思った。
先輩の言葉に、返す言葉が見つからなかった。ありきたりの言葉じゃいやだった。もっと先輩の心に残るような、頑張ってとか応援してますとか、そんな他人任せな言葉じゃない、私の内から湧き出た自然な言葉を送りたい。それなのに私の中にあるのは至ってシンプルで、ありふれていて、陳腐な言葉だった。けれど「大好きでした」という思いを込めて。



「綱海先輩、卒業おめでとうございます」




傲慢な本音を隠すわたしを、あなたが嫌悪しませんように

Title:わたしのしるかぎりでは


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