目指すは彼氏彼女の関係




「んじゃ終わり。気ィ付けて帰れよー。溝口は残れー」

「うえっ」

私はあからさまに嫌な顔をした。だって嫌だ。今日は寄り道せずにまっすぐ帰って見たいテレビがあるのに。
いつも一緒に帰る妙ちゃんや神楽ちゃんに泣く泣くさよならを言って私は教室の教員用の椅子に腰掛けてタバコを吹かしている駄目教師の前まで行った。

「なんでしょうか」
「そんなに不機嫌になられちゃうと先生のガラスのハートが傷付くんですけどー」

痛い痛い言って左胸を押さえる先生を冷たい目で見下ろす(私は立っているから上から目線)

「……いや、うん、悪かった。何で残らされたかわかんない?」
「さっぱりです」
「一日授業出なかった不良娘がよく言うぜ」

あ…それか。私が納得の表情をすると先生は溜息をついた。

「不良じゃないけどすみませんでした。よく知ってましたね」
「職員室で噂だったぜ、お前」
「…まじですか」
「真面目なみょうじさんが授業サボタージュだもんなぁ」
「すみません…」
「なんでサボったわけ?」

先生は特に怒った様子ではなくて、ただ疑問に思ったことを聞いているだけのようだ。安心して私は口を開く。

「寝不足で…全部サボる気は無かったんですよ?1時限だけ保健室で寝させてもらおうと思ったら保健室空いてなかったんで、屋上で寝てたら見事に誰も来なくて6限までぐっすり……」

「おま、6時間以上も屋上で寝てたの?」
「はい」

先生の表情が変わった。なんだか怒っているような……

「お前な、だったら教室で寝ろよ」
「無理ですよ」
「なんで」
「叫び声やら爆発音やらが頻繁にする場所では寝られません」
「じゃあ国語準備室に来い」
「何故?」
「ソファーなら貸してやるよ」
「いいんですか?一応教師なのに」
「屋上行かれるよりマシなの。危ないでしょーが。不良達とか来たらなまえちゃんなんか可愛いからすぐに食べられちまう。スカート短いしね。いやいや長くしろって言ってるわけじゃないから誤解しないでね。寧ろもう2cmくらい上げて欲しいくらいだから。お前が階段上る時もうちょっとなんだよね。まあそのぎりぎり加減が燃えるんだけど。だから寝る時は準備室で寝なさい。先生優しいから扇風機だって貸してやる。あ、でも借りる時はちゃんと言えよ?スカートぱたぱたすんの見ててやるから。見えた場合写真撮るのは許されるよな?だって俺の部屋だし。な?」
「…………」
「どうした?顔色悪いぞ」
「…お、お、」
「お?」
「お母さぁああああん!助けてェエエエエ!」



目指すは彼氏彼女の関係
(愛情なんて人それぞれ)


お題→空をとぶ5つの方法



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