TFP スモークスクリーン×オプティマス→メガトロン
彼は昔の私に似ている。
かつての私。一途にメガトロナスを信じて愛していた。疑うことすらしなかったあの頃の私に。
「私のことが好きなのか」
「好きっす!大好きっす!本当に大好きなんです!」
好き。その言葉を繰り返し言う彼は可愛いと思う。彼に慕われて嬉しい。好意を持たれて良かった。可愛がってあげたい。甘えさせてあげたい。愛してあげてもいい。
「君は可愛いね。スモークスクリーン」
「可愛いは嫌っす!俺は格好いいイケてる戦士がいいっすよ!」
「ふふっ、私のサポート無しでは戦闘も危ういのに」
「うっ。でも俺はオプティマスを守れるくらい強い戦士になってみせるっす。だから、オプティマス…その」
躊躇いがちに私を見上げる顔は心底可愛らしい。
「待っているよ」
頬にキスを落とすと、硬直したスモークスクリーンにオプティマスは笑う。嗤う。嗤う。
スモークスクリーンが愛しく思う一方で憎たらしくて煩わしい。昔の純粋だった過去の私に。オライオンに似すぎているからだ。
甘やかしてあげよう。愛してあげよう。そして、最後に嗤う。私を裏切ったメガトロンのように。そうすれば私はメガトロンと同じになれる、同等になるから。
誰にでも優しく。誰にでも愛を。誰にでも冷たく。誰にでも毒を。
(心行くまで彼を嗤ってやろう)
猛毒劇場
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