TFアメコミ スターセイバー×ダイアトラス←アックス

ダイアトラスの副官として傍にいるだけでは留まらず、彼の全てにおいて近くに在りたいと思ったのはいつの頃だったのかそんな思いはとうに忘れた。だが、たとえ自分が彼の最も近く想いが全て注がれるような情人になれなくても、ダイアトラスに相応しく彼を支えてくれる者ではあれば、諦めがつくのに。


何故、何故…


「何でお前なんだよ。スターセイバー」


「はて?何の話だ?」


「お前がダイアトラスの特別なのが気に入らない!」


何を考えているのか心情の分からない奴なのに。どうしてダイアトラスは俺ではなくスターセイバーを選んだんだ。こんな奴は俺の大事なダイアトラスに相応しくない。むしろ、彼は貶める男だ。


「それを決めるのは君ではない。私でもない、ダイアトラスだ」


「ああ、そうさ。分かっている。分かっているからこそ、気に入らないんだ!」


ありったけの蔑みと憎悪、そして嫉妬を剥きだしに睨み付けるが、スターセイバーはそれを一笑した。


「先ほどね、私はダイアトラスと口づけを交わしたよ」


マスクを外し、整った唇を見せつけるように指でなぞりだした。


「触れてみるかい?まだ、私の唇に彼の感触、熱が残っているんだ」


歪めた笑いを浮かべるスターセイバーにアックスの激情が一気に冷める。ただ信じられないように目を大きく見開き後ずさるが、スターセイバーがゆっくりと距離を詰めた。


「可哀想なアックス。せめて愛しのダイアトラスに触れた唇を君にあげるよ」


寄せられた唇は確かに僅かな熱を孕んでいた。喉の奥で笑いを漏らしたスターセイバーの目は心底愉快そうで、歪んだ笑みを崩さないままだった。





       




(想うだけ心を刺すと何故気づかない)



猛毒劇場

- 11 -


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -