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翌日俺は、進路調査票の第一希望欄に、るいが受ける大学名を書き込んだ。そして、第二希望には少しランクが下がった大学。第三希望に、滑り止めの大学。

記入欄を全て埋めた俺は、担任にその紙を提出し、職員室を出る。

まだ親には話してないけど、近いうちには話そうと思っている。やりたいことはまだないけど、この大学を受験したい。ちゃんと勉強して将来のことを考えるから、わがままを許してほしい。

ひょっとすると親子喧嘩になるかな、とか想像するけど、まあそれも仕方のない話だ。

だってるいと一緒に居たいとかいう理由でこんな超難関な大学を受験するなんて。やっぱりお前はバカだ、とか言われそうだ。

でも別に受からなくたっていいのだ。

選択肢は、たくさんあるから。

そのために考えることが大事なのである。


最悪るいとの距離が離れたとしても、きっとるいは一途に俺を想ってくれるだろうなあ、という自信がある。

だってるいはそれほど俺のことが大好きで、きっと物凄く一途な奴だから。逆に俺が浮気なんてものをしたらどうなるんだろう、って思うくらいだ。

意地悪く笑ってきて、浮気したことを後悔させられるんじゃないだろうか、と想像する。

いや、怖いことを想像するのは止めよう。そもそも俺はるいに負けないくらいるいのことが大好きだから、浮気なんてあり得ない。


ああ、しかし昨日のえっちで俺はお尻やら腰やらがもうクタクタだ。


でも昨日のあのるいの腰の動きを思い返すと、きっとあいつの方が今腰死んでるだろうな。まあ自業自得だけど。

ふっ。と笑って俺は腰をなでなでとなでながら廊下を歩く。


「おーい!おい友岡っ!」


しかし職員室から慌てて出てきた担任が、俺の名前を呼んで手招きしている。

なんだよもー。と腰を撫でながら再びUターンすると、「なんだ腰痛いのか?」と問いかけられた。


「うん。ちょっとぎっくり腰でさ。」

「はあ!?気をつけろよ!?」

「はいはい。で、先生なに?」

「…ああ。お前、これ正気か?」


担任はそう言って、俺が出した進路調査票を見せてきた。まあするよな。その反応。だがしかし俺は正気である。


「うん。目標は高く!!!」

「高すぎだろ!第二希望も必死で勉強しねえと厳しいぞ!?」

「必死で勉強するよ。あと1年あるしまあなんとかなるよ。」

「……お前変わったな。みんなお前の成長に驚いてるよ。提出物もちゃんと出してて、小テストも8割以上取れてるらしいな。」

「俺はやればできるのだ!!」

「うん。今のお前なら説得力ある。…じゃあこの進路調査票で考えていっていいんだな?」

「おう。男に二言はない!」

「よし分かった。がんばれよ。」


担任はそう言って、ポンポンと俺の頭を叩いて職員室へ戻って行った。そして俺はまた、腰をなでなでと撫でながら、歩きはじめた。


「先生、実はぎっくり腰ではなく、えっち痛なのですよ。…ふふ。」


独り言を言ってはちょっとおかしくてクスリと笑ってしまい、にまにまと一人あやしくにやけながら腰を撫でて歩いた。


今日から、スマホゲームは封印しようと思う。


35. ずっと、一緒にいたい おわり


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