S&Eより [ 64/163 ]
sermon&education!より
【 ラブ度 ★★★★★★★★★★…ドッカーン!!! 】
※ S&E afterを終盤あたりまで読まれた方向けです。
11月11日。1111。llll。
「今日なんの日だと思う?」
「ん?今日?…あ、レオナルドディカプリオの誕生日?」
「は?だれ?友達?」
「…え、知らねーの?あれは男の憧れだろー。まじ尊敬するわー…」
……え、るいの憧れ?尊敬?
ってことはその人よっぽど大物だろ。
と思いながら、「ほぉ。」と気のない返事をすると、るいはタイタニックがどーのこーのと語り始めた。
いやいや。俺はそんな話を聞くために今日が何の日かを聞いたわけではない。
「ポッキーの日だよ!ポッキーの日!!!」
俺はるいの話を中断させ、ポッキーの箱をるいの目の前に掲げた。
「ほぉ。なに、そんな日あんの?」
「11月11日!1111!」
「レオナルドディカプリオの誕生日?」
「それはもういいから!!!」
ポッキーの日を知らないなんて!
こいつはほんとうに若者か!?
「1が並んでてポッキーみたいだろ?」
「は?意味不明。」
「俺はお前の方が意味不明だわ!」
理解不能、みたいな顔されたから、俺はついつい言い返してしまったが、決して言い合いをしたいわけではないぞ。
「ゴホン。」とひとつ咳払いをして、俺はポッキーの箱をべりっと開けた。
「ポッキーゲームをしようではないか。」
「ポッキーゲーム?なにそれ。」
「るい多分すっげえ好きだわ。」
「は?別に好きじゃねえけど。」
「言ったな!その言葉覚えてろよ!!!」
俺はカッとなって、ポッキーの箱の中身をるいに向かって突き付けた。
「ポッキーゲームのルールはポッキーを咥えて先に離した方が負け。」
「うん?」
あ、こいつ絶対意味分かってねえぞ。
まあいい。実践した方が早いな。
俺はポッキーの袋からポッキーを一本取り出して、るいの口に咥えさした。
「合図したらモグモグしていいよ。」
そう言って、俺もそのるいが咥えているポッキーの先っぽを咥える。
それから「ぃーよ。」と声をかけ、モグモグとポッキーを食べ進めると、るいも同じくモグモグとポッキーを食べ始めた。
ジーと俺のことを見つめながら近付くるいの顔面に、俺もジーと見つめ返す。
モグモグ、と食べ進めるポッキーは、のちに姿を消し、るいと俺の唇がぶちゅっと合わさった。
しかしモグモグを続けるるいの唇は、俺の唇に吸い付きながらモグモグ動いている。
いや終わり終わり。もういいから。引き分けだろ。と思いながらも、るいの唇が俺から一向に離れない。
そしていつの間にかるいの両手が、俺の身体に巻き付いている。ギュッと抱きしめられながら、モグモグモグとまるで俺の唇も食べるように吸い付いてくるるいの唇に、俺はペシンとるいの頭を引っ叩いた。
「んっ」と声を漏らしながら口を離したるいは、ごくんと口の中のものを飲み込む。
そして開口一番に言った台詞はこれだった。
「ポッキーゲーム好きだわ。」
「ほらみろ!!!!!」
俺の言った通りじゃねえか!!!
勿論ドヤ顔で俺はツッコミを入れると、るいは「もっかいもっかい。」と自らポッキーに手を伸ばし、俺の口に咥えさせてきた。
そしてポリポリポリ、とポッキーを食べ進めるるいの唇が近付き、再びぶちゅっと唇が合わさる。
「んっ…」
いや待って待って待って、
るいはまるで俺の唇ごと食べてしまうかのようにモグモグと口が動いている。
そして絡みつくポッキーの甘い味と共に、ペロリとるいの甘い舌が俺の唇を舐めてきた。
このままディープなキスに入りそうな雰囲気で、俺はたまらず再びるいの頭を引っ叩いた。
「ポッキー食べてる時はそんなに熱いキスしてこなくていいです。」
「だって甘くて美味しいんだもん。」
「それはポッキーが、だろ?」
「んーん?航の唇が。」
そう言ったるいが、俺の隙を見て「チュッ」と軽く口付ける。それからペロリと唇を舐めて、にこにこと笑う。
「航くんおいしいなぁ。もっと食べちゃいたいなぁ。」
「………それはどういう意味かな?」
「え、それ聞くの?それ聞いた航くん責任取らなきゃなんないけど」
「あやっぱいいです。」
俺はるいからそっぽ向いて、ポッキーを取り出し、ぽりぽりと普通に食べ始めた。
モグモグと口の中のポッキーを噛み締め、ゴクリと飲み込む。
そんな俺を、にこにこしながら見つめてくるかと思いきや、るいは俺の唇に飛び付いて、俺の身体を押し倒した。
「んっ…!」
「航くんいただきまーす。」
「えっ、ちょっ、あっ…!」
その後、予期せぬタイミングで俺はるいに 抱かれてしまったのだった。
ポッキーゲームは、みなさん覚悟して挑みましょうね。
ラブ度★★★★★★★★★★…ドッカーン!!! おわり
2015.10.21〜12.09
拍手ありがとうございました!
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