アンチ・ロマンティック | ナノ


最近すごく思うことがあるんだよ。あのさ本当に両思いってすごいことだなあと。だってよく考えてみて自分の好きな人が自分のこと好きなんだよ。自分が思ってるみたいにその人も自分のこと思ってて自分が考えてるみたいにその人も自分のこと考えてるんだよ。はっきり言って超ばからしーありえねーだろってわたしは思うけど実際ありえるんだよ。奇跡に等しいことでしょ。それって。いや本当にすごいことだよ一生に何回くらいあるんだろう。ないかもしれない。無に近い。わたしにそんな奇跡起こったらはっきり言って言うだけだけど死んでもいい。だってありえない。ありえないんだから。それでも叶ったらすごいよなあとかそんな事言っといて心の底で期待してるわたしってやっぱりどうかしてんなーと思うんですよね。ただの馬鹿なのかもしれない。っていうか馬鹿だろってそんなの知ってますけどね。まあそれはさておき、その奇跡を起こすために頑張ってる人たちもたくさんいるわけで、思っても叶わないことだってあるわけで、それで叶わないのに頑張ってだめで泣いたり辛い思いだってたくさんするわけですよ。叶わないのにそれを知ってて自ら行くわけだよそれってある意味自殺行為なわけで、わたしはそう?う気持ちがないので正直そういうことを出来る人が信じられない。わたしだったら絶対逃げちゃうよ。でもそれでもやろう頑張ろうと思う気持ちはどれだけ強くて苦しいんだろう。すごいなあと思う。人を想うことがどうしてそんなに大変なことなんだろうね。難しいよね。なんで人は人を想うんだろうね。結局人間は1人でいたくないのかもしれない。寂しいから誰か側にいて欲しいから人を想うのかもしれない。なんだかすごく素敵なことだと思わない。すごいよね。わたしもいつかそれだけ人をすきになってみたい。人をすきになってその人のために泣いてしまうようにものすごく誰かをすきになってみたいんだよ。すきでどうしようもなく苦しくてそれがどれほど悲しいのか知りたいんだよ。もう一度言うけどさ。自分の好きな人が自分のこと好きってことは本当にすごいことでそれは奇跡でものすごい夢みたいなことなんだよ。ねえ。だからお願いだよ。あんたにはその奇跡を大切にして欲しいんだよ。分かって欲しいんだよ。それは紛れも無い幸せなんだってことを。





何十分間マシンガンのようにベラベラと一方的に話し続けていたこいつの唇がやっと止まったと思ったら、この男気溢れる本当に男みたいなこいつが今まで見たことも無い顔をして、本当に、良かったね。と弱々しく笑った。それはまさしくどこにでもいるただの女の表情だった。僕は何も言い返せなかった。わたしの為にもお願いだからしあわせになってね。そう言って彼女は少しだけ泣いた。

アンチ・ロマンティック


(20081215) title:不在証明


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