4話
「あんた名前は?」
「俺か?俺はルフィだ!モンキー・D・ルフィよろしくな!」
「よろしくもへったくれもあるか!このクソがきめ!」
そう告げるじーちゃんにルフィはごめん!と謝った。
「悪気があった訳じゃないんだ!打ち込まれたのを跳ね返したら失敗しておっさんの船に当てちまったんだっほんとごめん。」
頭を下げながら謝るルフィにエースの姿が重なる。兄弟、謝る姿はそっくりだ。
俺は昔見たエースの姿を思い出し、また感慨深しげにルフィを見た。
そんな俺を気にする事もなくじーちゃんとルフィの話は進み『1年間の雑用』で許されることになったらしい。…………いや、じーちゃん、1年もルフィを雑用にしていたら助かる所か潰れるよ、店。エースが良い見本だったじゃない。
俺は微妙な面持ちでそう思うも一応口出しはしないでおいた。オーナーの決めた事だしな。従うのも部下の務めだ。
「1週間に負けてくれ!」
「…………………… 」
どん!とルフィが言う。
それに対抗するようにじーちゃんもどん!いい放ちルフィに『料理長義足キック』なるものを放った。
じーちゃん、なにそのネーミング。
まんまじゃないか。
心の中で突っ込みながら、俺はルフィが開けた天井を見つめた。そこからは本来見えるはずのない青々とした空が見えていて。
これじゃぁ直すのにどれだけベリーが飛んでいくんだろう
と少し遠い目をした。
そんな俺の耳にじーちゃんの「足1本置いていけや!」が聞こえた。
「いやに…きまってんだろ、バカじゃねぇの、おっさん」
「……………………」
いや、これはフォロー出来ないわ、じーちゃん。
「…………いやだいやだで……わたっていけるシャバだと思うな、若造!『料理長ドローップ』!!」
「あ」
「ぬ」
バキバキバキィ!
『ああああああ』
天井だけじゃなく床まで見通しがよくなってしまった……俺はまたしても出ていくお金を思い、遠い目をしてしまった。
これはもう俺が直した方がいいな。
そう思った俺はルフィ達に今は関わり合わなくてもいいやと倉庫から板を取りだしに行き、修繕に取りかかった。
4話