Love you now and forever 



「あの、ですね。いいですか、笑わないで聞いてくださいね。……えーと、………あ、ちょ、ちょっとだけ待っていてください。心の準備がまだ……。……はい、大丈夫です。はい。…私は、貴方に言いたいことがあるんです。…と、とりあえず聞いてください。…ええと。まず最初に、私は貴方よりも料理も裁縫もへたくそです。何回も何回も練習していますけど、どうしても貴方ほどうまくできないんです。…え?以前よりは上達してる?…あ、ありがとうございます。…はい、それから次に私はすごくそそっかしいです。自分でもよくわかっています。…ええ、はい、貴方にも何度も注意されていますけど…。一応、これでも直そうと努力はしているんですよ?…うう、たしかに改善されていませんけど…。あと、それから私はすごく嫉妬深いです。……貴方が私以外の女の人といるだけで、やきもちを妬きます。…引きましたか…?…わ、笑わないでください!私は真剣なんです。……それで、ここからが本題です。…あの、私は家事も貴方よりもできないし、そそっかしいし面倒臭い性格ですけど、でもひとつだけ自信を持って言えます。私は、貴方を愛しいと思う気持ちはこの世界の誰にも負けません。貴方のことを、誰よりも愛しています。………ええと、だから、その………わ、私を貴方のお嫁さんにしてください。誰よりも、貴方を幸せにしてみせます。だから、藤田さん。どうか私を貴方の傍に置いてくれませんか」



あああ、顔が熱い。藤田さんの深い色をした綺麗な瞳が私を映している。彼の瞳は見開かれていた。いつも凛々しい表情をしている彼の顔には、驚きが浮かんでいた。ああ、ねえ、神様、お願いします。
いっそのこと目を瞑ってしまいたかったけれど、堪えて、真っ直ぐに藤田さんを見つめる。彼も真っ直ぐ、私を見つめてきた。
それから、ぐい、と身体を引き寄せられた。私のちっぽけな身体は、彼の逞しい腕の中に。

「……俺は、おまえのような女は見たことない」
「そ、そうですか、」
「…………おまえのように、こんなにも愛しいと思う女も、見たことがない」

え、と顔を上げると同時に唇を掠める柔らかな熱。私は瞬きをして、彼の顔を見つめるけれど、またすぐに強く抱き締められて私は彼の顔を見ることは叶わなかった。だけど、藤田さんの長い髪から覗く耳はとても赤かった。それを見て私の心はすぐに満たされて、こんなにも藤田さんがいとおしいと思うんだから、私は案外単純なのだ。私を幸せにできる人なんて、この人しかいないのだから。

「…私を、貴方のお嫁さんにしてくれますか、」
「…断るわけがないだろう」

好きだ、なんて耳元で低く囁かれる。普段は滅多に聞くことのないその言葉に私はどうしようもなく嬉しくなってしまって、ぎゅう、と彼の身体を抱き締め返した。ねえ、私はこんなにも幸せです。






一年くらい前にdiaryで呟いた逆プロボーズネタをついにやってしまいました…。
 
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