妄 想 の 産 物


薄桜鬼

千鶴と平助。

「平助君、私結婚するの」それは、平助君へのあてつけのつもりだった。この人は、いつまでも弱くて、優しい人だったから。いつまでも、好き、の一言さえ言えない人だったから。「…そっか、幸せになれよ、千鶴」ねえ、平助君。私は貴方の言葉ひとつさえあれば、私の人生なんて簡単にあげたのに。意気地無しの平助君が、いけないのに。お願いだからそんな痛そうな顔で笑わないでよ。

17.08.14 21:54

5月30日

沖田と千鶴。

『…千鶴、どうしたの?』「総司さんがいなくなる夢を見ました」『僕が?あはは、大丈夫だよ。僕は、ここにいるよ。ほら、だから安心して』電話越しの総司さんの声はいつもより少し低く聞こえて、それでいて穏やかで優しかった。でもね、総司さん。貴方は覚えていないだろうけど、総司さんが私の傍からいなくなったこと、一度だけあったんですよ。亡骸も遺してくれずに、貴方は灰になって私の前からいなくなった。『…千鶴。君が眠れるまで話していようか』「え?でも…」『いいんだよ。僕が好きでやるんだから。ねえ、千鶴好きだよ』「…私も、大好きです。今も、昔も。これからも、」

(辛い記憶も、優しい記憶も全部貴方と共にあった。私は、貴方と生きている今が何よりもいとおしい)


17.05.30 21:28

薄桜鬼

沖田と千鶴。

彼女に抱きしめられると、すべてが許されたような、そんな、気になる。彼女の涙に触れると、自分が綺麗なものになったような、そんな錯覚に陥る。「沖田さん、泣かないでください」「泣いてないよ。泣いてるのは、君の方じゃない」「違います、沖田さんが泣いているんです」ひとつ、ふたつと。彼女の瞳から溢れる雫を掬う。ああ、彼女は美しい。

(ごめん、僕は、もう涙も流せないのに、)

16.10.20 20:05

薄桜鬼

千姫と千鶴。

何も知らずに笑う彼女を見る度に私は思う。もしも、私の考えていることが千鶴ちゃんに伝わったのなら、目の前の彼女はどんな表情をするのだろうか。貴女に触れたいとか、貴女に口付けたいとか。だけど、それは叶わない願いだと私は知っている。ああ、彼女に好きだと言えたらどんなに良かっただろうか。

(だけど、私は彼女を想うことすら許されないの。だって、私は、)


16.07.19 21:10

5月30日

沖田と千鶴。

ちづる。百年ぶりくらいに刻んだその名前は驚くほど唇に馴染んだ。初夏の青い風を受けながら、彼女は僕を振り返る。

「…そうじ、さん?」

その声を聞いた途端、どうしようもなく胸が締め付けれるような気がして、息をひとつ吐き出すと涙が溢れた。思わず抱き締めた華奢な身体は昔と変わらない、ひだまりのような優しい匂いがした。ああ、ずっと、会いたかったよ千鶴。

16.05.30 21:36

薄桜鬼

沖田と千鶴。

いつだって僕の言葉は簡単に誰かを傷付けようとする。だから、こんな最低な僕は死に損ないらしくさっさと死んでしまった方が良いと思った。「大嫌いだよ、千鶴ちゃん」「私は嫌いじゃありませんよ、沖田さんのこと」それなのに、笑う彼女の声が、言葉があまりにも優しいから僕は未だにこの世に未練がましく残っている。変なの。

(僕がいなくなったら彼女は泣くのだろうか)(だとしたら、僕は、)

16.02.29 23:00

薄桜鬼

千鶴と沖田。

ある朝目覚めると、隣にいたはずの温もりが無くなっていた。布団に残るのは、白い灰と微かな温もり。抱き締める腕も見つめる瞳も愛してると言ってくれる唇も、もう何も残っていない。ああ、貴方は私にさよならも言わせてくれないんですね、総司さん。

16.01.28 20:42

11月22日!

沖田と薫と千鶴。

「はあー…、本当に可愛いなあ。僕と千鶴の子供」
「性格がおまえに似なきゃいいけどな」
「あーそう。じゃあもう薫にこの子抱かせてやんない」
「なっ…それはずるいだろ!?」
「ちょっと薫おじさん、大声出さないでもらえますー?起きちゃうでしょうが」
「誰のせいだよ!」
「総司さん、薫。二人とも静かにしてくださいね?」
「「すみませんでした」」


良い夫婦の日ということで。
この後、二人は千鶴に一時間お説教されました。


15.11.22 15:52

薄桜鬼

沖田と千鶴。

世の中はいつだって唐突で理不尽だ。頼んでもいないのに僕達は泣きながらこの世に生を受けて、望んでもいないのに勝手に死んでいく。全く、こんなに酷い世界を僕は他に知らない。

「本当に唐突で理不尽だよね」
「その唐突さと理不尽があったからこそ、私は貴方と出会えたんです。感謝くらいさせてください」
「…君には驚かされてばっかりというかなんていうか、…まあ、おめでたいよね君って」
「あ、照れてます?」
「うるさいよ」

僕はこんなに酷い世界を他に知らない。だけど、彼女の言葉もこの世の真理だったりする、のだろうか。同じ言葉でも彼女の唇を通すとどうしてこんなにも美しいのだろう。握った掌は温かくて愛しい。ああ、世の中はいつだって唐突で理不尽で、なんていとおしいのだろう。


いつかかきたい話。


15.09.25 00:22

薄桜鬼

沖田と千鶴。

彼女との幸せに、時々たまらなく泣きたくなる。当たり前のように隣にある温もりや笑顔や声とか。叶わない願いだと知っていても、僕はそれらがいとおしくて尊くて、手放したくないと強く思う。ああ、好きだよ千鶴。それと、ごめんね。僕はもうすぐ君の隣からいなくなる。

(許されたいわけじゃない。救われたいわけじゃない。でも、僕のことをどうか忘れないで、)


15.08.08 18:07

5月5日!

沖田と千鶴と土方。

「今日って土方さんのお誕生日ですよね。何を贈ったら良いでしょうか」
「そんなもの必要ないよ。引き出しの中に沢庵でも詰め込んどけば泣いて喜んでくれるんじゃない?」
「それ、嫌がらせの域を越えてませんか」
「嫌がらせなんて酷いなあ。僕は心から土方さんの誕生日をお祝いしているのに」
「総司いいいい!!!てめえ、何処行きやがった!!!」
「…沖田さん、まさかとは思いますけど……」
「あはは、まさかあそこまで喜んでもらえるなんてなあ」
「総司!!此処にいやがったか!てめえだろ、俺の机の中に沢庵詰め込んだのは!!」
「ちゃんと、沢庵以外の漬け物も詰め込んどきましたけど。てか、土方さん沢庵臭いですよ」
「誰のせいだと思ってんだ!!」


微妙に日付が変わってしまいましたが、土方さん誕生日おめでとう!
沢庵はこの後隊士達が美味しく頂きました。


15.05.06 00:18

薄桜鬼

千鶴と風間。

悲しさとか寂しさとか苦しさとか、今でも忘れられずにずっと心の奥底に残っている。思い出す度にどうしようもなくこの胸は痛むけれど、私は、

「…私は、忘れたくありません。彼等のことを。時が痛みを少しずつ和らげて、忘れることなんてしたくないです。この痛みも全部含めて、彼等の記憶なんです」
「…そうか。おまえも馬鹿な女だな。あいつらと同じように」
「ええ、自覚しています。でも、貴方はそんな私の傍にいてくれるのでしょう?」
「……おまえには散々待たされた。どうせ待たされるくらいなら、傍にいた方がマシだというだけだ」
「ふふ、ありがとうございます、千景さん」

(世界は思うほど美しくはなかったけれど、まだ嫌いになれないくらいには愛しいと思えた)

15.03.11 11:19

薄桜鬼

沖田と千鶴。

その小さな背中を思わず抱き締めてみると、ひだまりの匂いがしてどうしようもないくらいの愛しさが胸の深いところから込み上げてきた。「わ、どうしたんですか、総司さん」「千鶴、大好きだよ」「それ答えになってないですよ」なんて笑いながら君が「私も大好きです」なんて答えるから、だからまだもう少しだけ生きたいと神様にお願いしたんだよ。

15.03.05 22:14

2月14日!

沖田と平助。

「僕さ、バレンタインって嫌いなんだよね」
「奇遇だな、総司。オレもだ」
「本当、この日が憂鬱なんだよね」
「ああ。リア充爆発しろ、って感じだよな。若しくはチョコ食べ過ぎて鼻血出して出血多量で逝ってほしいよな」
「は?なに言ってんの?僕はチョコで荷物が増えるからバレンタイン嫌いなんだけど」
「この裏切り者おおおお!」


15.02.14 20:18

2月3日!

風千姫と不知火。

「…今年もやってきたわ、私達が阻害される日が」
「ああ。身勝手な人間共に何もしていないというのに豆粒を投げつけられる日がやってきたな」
「ねえ、お千ちゃんと風間さんは節分に恨みでもあるんですか?」
「千鶴ちゃん、他人事じゃないわよ」
「そうだぞ。我が同胞よ。目には目を。歯には歯を。豆には豆を、だ」
「風間さん、真顔で何言ってるんですか」
「奴等に豆を投げつけてやるぞ」
「ええ、私達の苦しみを味あわせてやるわ」
「風間さんはともかくお千ちゃんキャラ崩壊してるよ…。しかも普段仲良くないくせにこんな時ばかり同調しなくても…」
「おう、お前ら揃いも揃って何やってんだ?」
「あ、不知火さん」
「お!風間良いもん持ってんじゃねえか。俺、節分の豆好きなんだよな。ちょっと頂くぜ」
「なっ、…貴様、なんてものを食べているのだ…!」
「お、恐ろしいわ…!」
「はあ?おまえら何なんだよ」
「可哀想な人達なのでそっとしておいてあげてください」


オチなんてない。


15.02.03 18:45

2月2日!

土方とその他諸々。

「……なあ、総司。その頭どうしたんだ」
「え?ツインテールですよ」
「いや、それはわかるけどよ」
「土方さん知らないんですか?2月2日はツインテールの日なんですよ。ほら、はじめ君も平助も左之さんだってやってますよ」
「おー、土方さんもツインテールやろうぜ!」
「副長、是非…!」
「ツインテールもいいもんだぜ?」
「いや、お前ら…つーか、斎藤まで…」
「ほら、土方さんもツインテールにしましょうよ。あ、新八さんも近藤さんも源さんもやっていますよ」

「……っていう夢を見たんだ、源さん」
「トシさん、悪夢見すぎじゃないかね。少しは休んだらどうだい?」
「あ、土方さんと源さん。丁度いいところに」
「おお、総司。どうしたんだい?」
「2月2日って何の日か知ってます?」


個人的には千鶴と伊東さんのツインテールが見たいです。


15.02.02 21:46

薄桜鬼

原田と千鶴。

いいのかな、許されるのかな。
私がこの人に愛されているのだと実感する度に、そう思ってしまうのだ。
ねえ、貴方はこんな異形の女を愛してくれるのですか?私を、選んでくれるのですか?
私が、貴方を愛することを許してくれるのですか?

「おまえじゃなきゃだめなんだよ、千鶴」
「…原田さんは、馬鹿です、」
「んなこと、ずっと前からわかってるよ」

それでも、泣きじゃくる私を抱き締める貴方の腕があまりにも優しくて力強かったから、今だけはこのままで。

(ねえ、どうか、この人を想うことをゆるしてください)


15.01.23 20:12

1月1日!

千鶴と斎藤と沖田。

「斎藤さん、あけましておめでとうございます」
「ああ、あけましておめでとう。今年もよろしく」
「こちらこそ今年もよろしくお願いします。それと、お誕生日おめでとうございます」
「!な、何故俺の誕生を知って…?」
「沖田さんから聞いたんです。お正月が誕生日だなんてめでたいですね。斎藤さんにとって幸せな一年になりますように」

(…あれ?はじめ君なんでそんなにやにやしてるの?)
(……気にするな)
(千鶴ちゃんに祝ってもらったのがそんなに嬉しかったの?さっきの千鶴ちゃんの笑顔可愛かったなあ。僕に感謝してよね)
(…見てたのか)


15.01.01 11:13

12月31日!

沖田と千鶴。

「…今年ももう終わりますね」
「そうだね。今年も、千鶴と過ごすことができて僕はすごく幸せだったよ」
「私もです。来年も、再来年も、ずっとずっと総司さんと一緒に過ごしたいです」
「うん、ありがとう。大好きだよ、千鶴。ずっと傍にいてね。来年もよろしくお願いします」
「ふふ、こちらこそよろしくお願いします」

14.12.31 09:46

クリスマス

沖田と平助。

「なあ総司!みんなでクリスマスパーティーやろうぜ!」
「ごめん平助。今年は千鶴ちゃんと一緒に過ごすんだ。ごめんねww」
「くっそ、リア充死ね!!」
「だが生きる」
「クリスマスは本来家族で過ごすものだぞ!」
「平助と家族じゃないし。それに千鶴ちゃんは未来の家族だから」
「くっそ、総司死ね!!」
「だが生きる」


Merry Christmas!


14.12.25 21:10

薄桜鬼

沖田と平助。

「クリスマスなんて消えればいいのに。そしてリア充爆発しろ」
「平助は今年も独りなんだねww」
「総司だって一緒だろ!おまえだって彼女いねえくせに」
「え?僕は千鶴ちゃんの(自称)彼氏だし」
「自称だろ」
「モテない平助に言われたくありませーん」
「土方先生ーーっ!沖田君をぶん殴ってくれませんか!!」


日頃の恨みを晴らしに喜んで土方先生は飛んでいきます。

14.12.12 21:59

11月22日

沖田と千鶴。

「ねえ、千鶴。僕は今すごく幸せだよ」
「私もですよ、総司さん。こんなにもかっこよくて素敵な旦那さんがいて、なんて幸せなんでしょう」
「僕もこんなにも可愛くて優しい最高のお嫁さんがいて、なんて幸せなんだろう」
「ふふ、ありがとうございます」
「…千鶴。抱き締めてもいい?」
「よろこんで」
「愛してるよ、千鶴」


遅れましたが、良い夫婦の日ということで。
万年カップル夫婦の沖千が可愛くてたまらない。

14.11.23 11:45

薄桜鬼

平助と斎藤。

「平助、何をやっているのだ?」
「テスト勉強のやる気が出なくてさー。やる気が出る方法をGo◯gle先生で検索中」
「そんなことをしている暇があったらその時間を勉強に当てれば良いのでは?やる気なんて、やらなければ出ないのだから」
「ごもっともです。正論過ぎて何も言えねえ」

14.11.17 22:58

11月11日!

沖田と千鶴。

「ねえねえ、千鶴ちゃん。今日は何の日でしょう?」
「えーと、ポッキーの日、ですよね?」
「正解です。ということで、千鶴ちゃん。ポッキーゲームしようか」
「きょ、拒否権は…」
「ありません。強制です」

14.11.11 21:16

薄桜鬼

沖田と平助。

「千鶴ちゃん見てるとさ、なんかこう…むらむらするっていうか。これが恋ってやつかな」
「いや、恋はもっと純粋なものだと思うぜ!むらむらするって、なに欲情してるんだよ!千鶴を邪な目で見るなよ!」
「邪な目ってなに。僕ほどの純情ボーイは今のご時世そうそういないよ」
「おまえほど邪悪という言葉が似合う人間もこのご時世そうそういないと思うけどな」

14.11.10 21:37

薄桜鬼

沖田と千鶴。

僕はどうしようもない男で、まあそれは自分でもよく理解しているわけだからこんな僕を好きになる人間なんて余程の物好きなんだろうと思っていた。

「私、総司さんと出会えて本当に幸せなんですよ」

だけど、隣で笑う君があまりにも幸せそうにそう言うから僕はなんだか照れ臭くなってどこかこそばゆくて、「千鶴って変わってるよね」なんて素直じゃないことを言って君を抱き締めた。

(ありがとう。僕は今すごく幸せです)

14.10.29 20:08

薄桜鬼

沖田と千鶴。

「千鶴ちゃんって良いお嫁さんになりそうだよね」
「え?そ、そうですか?」
「うん。…ねえ、僕のお嫁さんにならない?たくさん愛してあげるよ」
「!」


千鶴の家事スキルはすごい。

14.10.11 22:13

薄桜鬼

千鶴と原田。

貴方があまりにも私を大切に扱ってくれるから、だから私は自分が特別なものになったような錯覚に陥るのだ。

「千鶴、好きだ」
「……原田さん、」

私は貴方が思うほど綺麗なものじゃない。だけど、貴方に触れられている間だけは普通の人間の少女でいられる気がした。

(だから、どうか、本当の私を見ないで)

14.10.02 20:27

薄桜鬼

沖田と千鶴。

「ねえ、僕ってさ随分と君に酷いことしてきたと思わない?」
「あら、自覚があったんですか?」
「ねえ、目が怖いよ」
「女の恨みは恐ろしいんです」
「ごめんって。それはごめんなさい。…ねえ、今度はちゃんと幸せにしたいと思ってるんだ。だから、もう一度僕を選んでくれませんか?」
「よろこんで」

14.09.20 15:41

薄桜鬼

沖田と千鶴。

「ねえ。千鶴ちゃんのことを考えると胸が苦しいんだ」
「え?どうしてですか?」
「知らないよ、そんなこと。千鶴ちゃん、責任とってよ」

(それが恋だと知ったら、貴方はどんな顔をするのだろう?)

14.09.13 21:56

薄桜鬼

芹沢とお梅。

貴方のことを愛していた。
貴方はとても不器用な人で、だけどそんなところが私は堪らなく愛しかったのです。
だから、どうか最期は貴方の手で殺してほしい。

「…馬鹿な女だ」
「ええ、貴方を好きになるくらいだもの。馬鹿な女ですよ」

14.09.07 09:23

薄桜鬼

風千姫。

「さあ、千鶴。俺と共に来い」
「何言ってるのよ、風間!千鶴ちゃんは私と暮らすのよ」
「ふん、千鶴は我が妻なのだぞ」
「それはあんたの妄想でしょ!千鶴ちゃんは私のものよ」
「……あの、二人共。そこに私の意志はどこにも無いですよね?」
「千鶴は俺の嫁だ」
「千鶴ちゃんは私と一緒にいるの」
「…………」


私得でしかない風千姫が可愛すぎる。

14.09.02 19:29

薄桜鬼

沖田と千鶴。

きっと私はどうしようもなく弱いから、だから神様は私と総司さんを出逢わせてくれたのだと思う。

「総司さん、大好きです。私と生きてくれてありがとうございます」

私の言葉に彼は一瞬驚いて、それからすぐさま私をその両腕で抱き締めた。

「そんなのこっちの台詞だよ。僕と生きてくれてありがとう。ずっとずっと大好きだよ」

ああ、私は幸せだ。

14.08.16 23:16

薄桜鬼

沖田と千鶴。

「千鶴ちゃん、好きだよ」

少し驚いて、それから照れたようにはにかむ君が僕は大好きだよ。

「私もです。大好きです、沖田さん」

僕の「好き」に「大好き」と応えてくれる君が、僕は何よりもいとおしくて堪らない。

14.08.03 22:21

薄桜鬼

沖田と千鶴。

「ちづるー」
「…何でしょうか」
「暑くて寝れないよ。千鶴、添い寝してー」
「…添い寝なんかしたら余計に暑くて眠れないですよ。というか、総司さん」
「ん?」
「今、何時だと思って電話をかけてきたのですか?」
「……だって、君の声が聞きたくなったんだもん」
「……可愛く言ってもだめです」

14.07.23 01:55

薄桜鬼

沖田と千鶴。

「大丈夫。君は悪くないからね」

泣きじゃくる私を抱き締めて、彼は穏やかな声で言葉を紡ぐ。

「僕が、君の傍にいるよ」

彼のその言葉に、私は少しだけ救われた気がした。

14.07.17 20:33

5月30日

沖田と千鶴。

「君と出逢えて幸せだったよ」
「…私もです。とても、とても、幸せでした」
「泣かないでね、千鶴。ほら、笑って?」
「そうじ、さん、」
「愛してるよ、千鶴」

最期に見せた貴方の微笑みは、それはそれは綺麗でした。

「愛しています、総司さん、」


旧暦ですが今日は沖田総司の命日ということで。

14.05.30 22:25

薄桜鬼

沖田と千鶴。

「五月ってやけに死にたくならない?」
「まあ、それなりに」
「千鶴ちゃん、僕と一緒に死んでみる?」
「それもいいですけど、もう少し沖田先輩とこの世界を生きてみたいです」
「……千鶴ちゃんのばーか」
「なんとでも」

14.05.28 23:20

5月5日!

土方と沖田。

「土方さん、誕生日おめでとうございます」
「……おまえ、熱でもあるのか?」
「酷いなあ。いくら僕でも、一応長い付き合いの土方さんですから、誕生日くらいは祝いますよ」
「……とか言って、おまえまた良からぬことを考えてるんじゃねえだろうな」
「そんなことないですよ。それじゃあ、僕はこれで」

(…本当に何も無かったな。総司にしては珍しく。…あいつ本当に熱でもあるんじゃねえのか?)
(…あの、土方さん)
(ん?どうした、千鶴)
(この豊玉発句集ってどなたのものでしょうか。沖田さんに皆に回したら、土方さんのもとへ、と言われたのですが…)
(…………)
(…土方さん?)
(総司ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!)



土方さん誕生日おめでとう!
苦労性で常識人で美しい土方さんが素敵。
仕事ができるのに俳句はあまり上手じゃないって可愛いよ。

14.05.05 21:34

薄桜鬼

沖田と千鶴。

「千鶴、僕を殺して」
「昔は総司さんが私に殺すと言っていたのに、」
「そうだね、おかしいよね」
「おかしいですよ」
「でも、病で死ぬくらいなら千鶴に殺されたいよ、」
「…総司さんが望むなら、私は何処へだってついていくつもりですよ?」

微笑んだ彼女の優しさと覚悟と少しの狂気が僕は愛おしい。
僕達は、少し狂ってるみたいだ。

14.05.03 18:52

薄桜鬼

土方と千鶴。

「…桜、散っちゃいますね」
「…ああ。だけど、来年もまた咲くさ」
「…そうですね、歳三さん」

桜吹雪の中で彼は穏やかに笑った。
浅葱色の彼等もどこかで桜を見ているのでしょう。
今日の日も、私達は生きている。

14.04.23 21:20

薄桜鬼

沖田と千鶴。

僕は君と出逢えて、本当に本当に幸せでした。

「だからね、泣かないで。千鶴ちゃん」
「沖田、さん…、」
「ありがとう、千鶴。…ね、笑って、」

泣きながら笑う君はそれはそれは綺麗で。
それを見て、僕はもう少し生きていたいと願って、それからゆっくりと瞼を下ろした。

14.04.18 19:51

薄桜鬼

沖田と千鶴。

苦しい、苦しい、苦しいよ。
僕はこんな思いしたくない。こんな感情知りたくない。
どうして、僕だけが、

「…独りで抱え込まなくても良いんですよ?」

優しく笑って僕を受け止めた彼女の言葉に、僕はもう少しだけ生きられるような気がした。

14.04.05 08:25

薄桜鬼

沖田と土方。

「土方先生ってすごいですよね。尊敬しちゃうなあ。土方先生まじリスペクト」
「…おまえ、どうしたんだ?つか、なんかムカつくな」
「とか言いつつ満更でもなさそうですけど。…でも、土方先生って本当に色々すごいですよ」
「…そうか?」
「はい、土方先生のドヤ顔いただきましたー。…ところで土方先生知っていますか?」
「ああ?」
「今日ってエイプリルフールなんですよ」
「…………総司てめええええええええ!うぜええええええ!」
「うざいのは土方先生のドヤ顔ですよ。あ、これ一斉送信して良いですよね?」
「良くねーよ!つか、いつの間に撮ったんだよ!」

14.04.01 09:55

薄桜鬼

沖田と千鶴。

「…僕が死んだ後のこと、考えたくないなあ」
「………私もです」
「千鶴は、強いくせに泣き虫だからいっぱい泣くでしょう?」
「…はい」
「僕が生きている間は君が独りで泣かないように抱きしめてあげたいけど、でも、生きている間は千鶴の笑顔をたくさん見たいしなあ」
「総司さんは、欲張りですね」
「うん、欲張りだよ。…だから、もっと、もっと生きたい。千鶴の泣き顔も笑った顔も、もっと見たい」
「……総司さんは、欲張り、です」
「ごめんね、千鶴」

14.03.28 21:08

薄桜鬼

沖田と千鶴。

「涙は枯れないのでしょうか」
「涙が枯れたら悲しくない?」
「…………」
「無理しないでいいよ。泣いていいからね」

14.03.21 08:22

薄桜鬼

風間と千鶴。

「千景さん、私また彼等の夢を見ました」
「…新選組か」
「はい。昔は彼等の夢を見る度に、悲しくて辛くて苦しかったんです。でも、今はそれだけじゃないんです」
「それだけじゃない、とは?」
「…私、彼等にありがとうと思えるようになったんです。あの人達は皆、振り返らずに突き進んでいってしまったから、今はその分休んでいてほしいです」
「…おまえは強くなったな」
「私が強くなったとしたら、それは新選組と千景さんのおかげです。…私は生きているから、少しずつ前に進まなきゃ」



少しずつ前に進んでいく。いなくなってしまった人の分まで少しずつ。

14.03.12 19:56

薄桜鬼

沖田と千鶴。

「千鶴ちゃん、僕のこと好き?」
「……嫌いって言ったらどうしますか?」
「…殺すよ?」
「そんなこと言う沖田さんは嫌いです」

14.03.08 22:07

3月3日!

沖田と千鶴。

「…千鶴ちゃん、これあげる」
「?…金平糖、ですか?」
「うん。今日は雛祭りでしょう?だからあげる。女の子のお祭りの日だからね」
「ありがとうございます。…優しいですね、沖田さん」
「……別に、偶然近藤さんから金平糖を貰っただけだし」
「ふふ、良かったら一緒に食べませんか?」
「…うん、食べる」


3月3日ということで。今日は優しい沖田さん。

14.03.03 21:14

薄桜鬼

沖田と斎藤。

「ねえ、はじめ君。お願いがあるんだけど」
「なんだ」
「…僕が死んだら千鶴ちゃんのこと、君が守ってね」
「……ああ」
「千鶴ちゃんのこと、任せたよ」


遺す人と遺された人。

14.03.02 08:10


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