※『』は英語台詞(Sio*の英語能力が0なため)


日本に留学し、帰化してから早数ヶ月。
行事事が大好きな日本人は次はクリスマスと大変盛り上がっている。

『この時間は、寒い……』

合宿で得たことを今後に生かすために練習に明け暮れる。
するといつの間にか8時近く。

12月下旬にジャージのみは寒い。
やはり先輩の言う通りウインドブレイカーを買うべきだった。日本を甘く見ていた。

『……歌?』

そう言えば、この辺の教会はクリスマス近くになるとそんなイベントをやると聞いた。

覗いて、みようかな。

美しい声に興味をそそられ、ステンドグラスが輝く教会へと足を踏み入れた。



『わぁ……』

はっきりと聞こえる流暢な英詞。

これは……

『牧人ひつじを……?』

クリスマスになると流れる曲のひとつ。
その中でも好きな曲。
こっちはジングルベルみたいな定番と、日本の歌手が歌うオリジナルのクリスマスソングばかりだと思っていたから、凄く嬉しい。

美しい歌声とパイプオルガンの音色に酔いしれ、しばらくその場を動けなかった。


「───……えと、蔵兎座くん……?」

『わっ』

いきなり声をかけられたと思ったら、先程壇上で歌っていた子だ。

『え、なんで名前……』

「ねーむ……?名前?えと、えと」

よく見るとウチの制服を着ている。
大会や合宿の件で紹介されて、全校生徒知っている。
そう驚くことじゃなかった。

「私は、真宮緋姫!」

『緋姫?』

「そう、緋姫!」

とりあえず名前を教えて貰った。
なんでだろう。

「あー、英語わからなくて……えと、あい、きゃんと、すぴーくいんぐりっしゅ!」

『え、本当!?』

あのような流暢な英詞を歌い上げた緋姫が英語を話せないなんて。
ネイティブ並の発音なのに。

「りありー……?ってなんだっけ」

あ、本当にわかってない。
頭にたくさん?が浮かんでる。

「英語、教える」

「わ、蔵兎座くん日本語できるの!?」

「少し」

「すごーい!!尊敬する!!ってか英語教えてくれるの?」

「うん」

ありがとう、と笑った緋姫が凄く可愛かった。


聖歌が聞こえる闇の中から

君に恋に落ちたことに気付いたのは、それから少したったあと。
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