※メガネ先輩苗字"安城"で固定


しゃんしゃんとクリスマスソングに紛れて聴こえる鈴の音。

「……あれ?」

一人暮らしをしてから初めてのクリスマス。
この辺はイルミネーションが綺麗と友人から聞いたので、まぁ独りで見に行きましたとも。
だって彼氏いなーい友人みんな彼氏持ち。
えぇ寂しいクリスマスですよ。

したらケーキ屋にやたらイケメンなお兄さんが鈴を鳴らしていまして。
虚しいな……と憐れみの目を向けていたら、同じクラスの安城だった。

「あー、やっぱり安城だ」

「いらっしゃい。冷やかしはごめんだ真宮」

「ごめん見かけたから寄ったんだけど」

安城はテニスやってるからわりと細身で長い。
顔も整ってるからよく見ると女性客が多い。

「クリスマスまでバイト?彼女いないの?」

「家の手伝いだからタダ働き。彼女いねーよ」

「え、家ケーキ屋!?憧れる!!」

だから時々安城から甘い匂いが漂ってたのか。
つか、こんなイケメン女がほっとかないっしょ。
きっとテニスが忙しいからだろうね。
六浦くん同様即戦力らしいし。

そっか、独り身なんだ……。

「ねぇ安城」

「なんだ?」

「これ、終わったら暇?」

「まぁ、完売したら暇だな」

「あと一個じゃん。私これ買うからさ、一緒に食べない?」

「はぁ?なんでお前と」

「独り身同士2人でケーキ食べながら騒ごうぜ」

「ん……やることないから良いぜ」

「よっし!これ下さい!!」

「ありがとうございます」

2人虚しくクリスマスソングを聴きながら、朝まで騒いだ。

鈴の音が聞こえる

夢の中で、あの鈴を持つ安城にキスをされた。
驚きはしたけど、嫌な感じはしなかった。

×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -