「わ、」
一面に広がる星たち。
きらきら輝いて、落ちてきそう。
「あれがシリウス」
「こっちはベテルギウスにに、プロキオン!」
「知ってたか」
「星大好きだもーん」
地味にナイスチョイスだよ南。
しかも小さいし広告出してないから人ほとんどいないし。
「俺、ここのプラネタリウム好きでさ。彼女出来たら絶対連れてこようと思ってて」
薄暗いけど、明るい星たちのおかげで顔真っ赤なのが丸わかり。
わ、私まで暑くなってきた!
南が恥ずかしいこと言うから……っ!!
「あ」
「え、なに」
パッと消えた星空。
な、何事?え、もう終わり?
……のわりには電気つかないし。
「大丈夫、もうすぐだから」
その安心する声と同時に、徐々に明るくなってくる。
鈴の音と一緒に、トナカイとソリと……サンタの影がプラネタリウムに映る。
目を奪われる幻想的な世界。
その影は星空を舞うように進んだ。
『よいクリスマスをお過ごし下さい』
気づいたら、そんなアナウンスが流れて会場が明るくなった。
「途中ぼーっとしてたけど、大丈夫?」
「うん、心を奪われていたわ」
「よかった。このクリスマスプログラムが特に好きでさ。気に入ったようで嬉しいよ」
「楽しかった!いい場所連れてきてくれてありがと、南」
「こちらこそ。夢が叶って嬉しかったし、凄く楽しかった」
また来年も、君と星空を舞うように進んだソリを見たいな。
星空舞うソリ
「ん、なんだこれ」
赤い包みに銀のリボンの箱。
見覚えないそれをおそるおそる開けると……
「メリークリスマス、緋姫」
君からのクリスマスプレゼント。
「地味にいい演出しやがって……南のくせに」