※前部長「六浦麗」で固定



小春日和、なんて言葉がぴったりなほど暖かい(と言うより暑い)10月下旬。
榊先生主催でハロウィンパーティーが行われることになった。
跡部くんが部長となったため、反感を持つ人も少なくない。
そんな雰囲気を壊すため、主催榊・協賛跡部という形で参加しやすいパーティーをするんだって。

あ、ちなみに会場は跡部くんの別荘のお城!

……ってなわけで、氷帝学園中テニス部御一行様、授業すっぽかしてイギリスにいます!!

「わぁ、素敵!」

「ほら緋姫先輩。着替えてきて下さい」

「……なにその箱とメイド」

「先輩を頼んだぞ」

「かしこまりました」

「かしこまらないで!!」

跡部家の方々に小部屋に連行され、ぱぱぱっと着替える。
は、早い……っ!!!
しかもいい感じにメイクやら髪やらもやってくれて。
ありがたいんだけど、なんだろうこの敗北感。

開けてくれた扉をくぐると、いつの間にか装飾されてるし着替えてるしでまるで異次元の空間。
しかも見目麗しい方々ばっかだから目の保養になるわ。

きょろきょろとあたりを見回していると、ばっと暗くなって何も見えなくなる。

「え、ちょ、何事……」

カッとスポットライトが当てられ、黒い物体が見える。
……跡部くんだな、派手好きめぇ。

「俺様の美技に酔いな!!…………いや、あの、スミマセン……」

「………………麗先輩!!!???」

マントを翻して現れたのは跡部くんじゃなくて……探していた麗先輩だった。
うわ麗先輩似合う!
じゃなくて!!

「俺様まだこんなに身長ねーよ」

「ですよねー」

「つか跡部、なんでこんなことやらしたんだ!!」

「いや?伯爵と令嬢を引き寄せたかっただけですよ」

「へ?」

似合わない猫の尻尾を揺らして跡部くんは去った。
微妙な空気が流れる……。

「と、とりあえず、なんか食うか……」

「は、はい……」


伯爵はマントを翻す
翻されたマントの中には、絡み合った手があった。


「跡部が協力するなんてめずらしーじゃん」

「そうか?おいお前ら!!あっちにも用意してあるからな!!」

「ふとっぱらー。いこうぜ!」

「あ、滝」

「なあに?」

「一日遅れのバースデーだ。おめでとう」

「クス、ありがとう」



「……あれ、みんなは?」

「さあ?気付かなかったな」

「ですね」

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