「とりっくおあとりーと!!」

「え?」

振り向いた瞬間、何かを投げつけられた。

「うわっ!!なんだこれっ」

「いえーい大成功!」

「本当真宮のコントロールはピカイチだな!」

「内村、緋姫!!!」

「ぎゃっ逃げろ内村!」

「合点承知!」


だんだん秋らしく寒くなり、こりゃもう学ラン必須だなと思っていたら、

クラスメイトの緋姫に何かを投げつけられた。

どろどろぬめぬめしてるから、察するにスライムだと思うが……。

あいつら、俺がこういうの嫌いだと知ってて……っ!!

しかもトリックオアトリートって聞いときながらイタズラ一択ってなんだよ!


「災難だったな……」

「あ、ありがと」

へばりついたスライム的なのを落とす。
粘着力が強いんだが……。

「年々上がるなー、イタズラのレベルが」

「勘弁しろよ……悪魔かあいつは!」

「あながち間違いじゃねーよ……」

ハロウィンが近付くと毎度イタズラを仕掛けてくる。

しかもなんかぬるぬるしてるから、質が悪い。

「桜井ー!」

「緋姫?」

「身構えないでよー。さっきはごめん」

「あ、いや……」

謝られると、調子狂う……。

「これお詫び」

ころん、と手のひらに転がったのはチロルチョコ。

「ありがと」

せっかくだからと思い、口に放り込んだらあいつが笑った。
─────っやっぱりあいつは悪魔だ!!!

「ぅげっほ!!!」

「おっしゃ引っ掛かったよ内村ー!!」

「おいふざけるな緋姫ー!!!!」

「うわ、悪夢だな……」

悪夢をプレゼント
(君にしかあげないもん!)



でも、毎年その悪魔のイタズラを楽しみにしている自分がいるのも否定出来ない。



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