※advice
直接的な表現はありませんが、
裏的要素を含みます。
59が強姦とかされちゃいます。
オリキャラ出てきます。
それでもよろしい方はお進みください。
"君を絶対に幸せにするから。"
そう言ってくださった十代目。
その日も雪が降っていたな…。
今日みたいに。
幸せだった。
俺はあの日から、ずっと貴方に愛されて幸せだった。
それは、今も。
「隼人」
その言葉に俺は、はっとする。現実に引き戻されたのだった。
今日は雪が降っている。窓から見えるそれがあまりにも綺麗で見ほれていた。
「あ、はい。何でしょうか、十代目」
「別に。呼んでみただけ。何か考え事でもしてたの?」
言いながら、大きな執務用の椅子から俺の座るソファと対になっているソファへと場所を移す。
すると、十代目のバックに雪が映って、それがまた何とも言えない美しさになる。
「雪が、綺麗だったので…」
「雪?…ああ、本当だ…」
窓の外の雪を見て、どうりで寒いわけだ、と付け加える。
ふわふわという擬音が似合っているこの雪達は牡丹雪という名前だったと思う。
大きな固まりが幾つも降って、外はもう雪化粧をしていた。
「もう、こんな季節か…早いなぁ…」
確かにそうだ。今年は得に早かった。
中学を卒業して2年。
高校に入ってからは、本格的に守護者としての任務も任されるようになって毎日が忙しかった。
もうボンゴレのボスは、十代目が引き継いでいらして、俺達もボンゴレ十代目の守護者として、忙しい日々を送っている。
得に最初の一年間なんかはそうだった。
朝から夕方までは普通に学生として生活し、夜中は任務で明け方に家に帰る事もしばしばあった。
今は、その生活にも慣れてきている。
今年は、更に任務のレベルが上がって、大変さが増している。でも、二人一組での任務も多いから、その点は楽だ。
「あ、隼人。今日の任務なんだけど、デルディファミリーのボスと会食ね」
「え?俺がですか?」
「うん。あっちのボスがそうしてくれって言うから。女同士の方が話しやすいんだって」
デルディファミリーのボス、サリサは俺と同じ年頃で若くしてボスになった天才として有名だった。しかも、美人ということもあり、サリサは高嶺の花と一目置かれていた。
俺は会ったことないけどな。
「でも、それならクロームが…」
「クロームは、今日骸と任務だから駄目なんだ。ごめんね?」
その言葉は行ってという最後の押しに聞こえた。
十代目からの願いでもあるので断る理由の無い俺は仕方なく了解した。
俺は人と話すのが苦手だ。女なのにこんな口調なのも理由の一つだが、不器用なこの生活が一番の要因だった。
言いたいことが素直に言えない。十代目に対しては徐々に平気になっていったが、他の奴等や初対面の相手の前なんかは特にそうだ。
「ありがとう、隼人」
「いえ、当然のことです」
ニコッと微笑むと十代目は、俺を抱き締めてきた。
十代目は、任務のことを伝え終わると大抵、こんなふうに甘えてくださる。これは十代目曰く、恋人としての当然の在り方、だそうだ。
十代目と付き合いだしたのは中二の頃。十代目から告白をしてくださった。
既に、に、肉体関係も持ってたりしちゃっている。
「今日は俺、任務早く終わるから早く帰ってきてね」
「はいっ」
「でも帰るときは気を付けてね。本当は、俺が迎えに行ってあげたいんだけど…」
「俺なら大丈夫です!十代目は任務を頑張ってくださいっ」
「ありがとう。でも…『俺』っていうの止めなさいって言ってるでしょ」
「う…はい…」
前々から言われていたことだが、俺は未だこの口調を直せない。男のように、育てられてきた俺には難しいことだ。
「女の子なんだからね、隼人は」
「っ…」
顔が紅潮していくのが分かる。
女の子扱いをされるのには慣れない。特に十代目からは。
好きな人からのそういう扱いは凄く恥かしい。
「可愛いね、隼人」
言いながら俺の首元へ顔を寄せる。チュとキスを落とされて、恥ずかしさで顔が歪む。
寒いはずの室内が暑く感じるなんて、俺はおかしいのだろうか。
「先に、楽しんでおこうか」
「えっ…!」
「愛してるよ…」
その言葉を合図に、俺はソファへと押し倒される。
それから俺は任務までの時間、散々愛されたのだった。
あれから数時間が経ち、俺は今デルディファミリーのボス、サリサさんと会食をしている。
昼間にしていた行為のせいで腰が痛い。ほんの少しだけだけど。
今日は1回しかしなかった。十代目が、あとは夜にねとおっしゃったからだ。
明日の朝は腰が痛くて立てなくなってるんだろうな…。その腰の痛みすら愛しく感じてしまう俺は大分イカれてるな。だってそれが十代目からの愛の大きさなのだから愛しいに決っている。
考えただけで顔が紅くなってしまう。
「隼人さん、お顔が優れないようですが如何なされまして?」
「あ、いえ。何でもありません。お気遣い有り難うございます」
「いいえ、当然のことですわ」
彼女は丁寧な言葉遣いをする人柄の良い人だ。とてもボスに相応しい方で十代目と少しにている雰囲気を醸し(かも)出していた。
「話を元に戻しますが…同盟に加入してくださり、私共のほうに資金提供もしてくださる、ということでよろしいんですね?」
「ええ、もちろん」
「ありがとうございます」
「そちらには色々とお世話になりますし…お役にたてるのなら嬉しいことこの上ないですわ」
この同盟は、デルディファミリーの守護をするかわりに、もしボンゴレに何かあったときには協力を惜しんでもらう為の内容だ。
サリサさんは最近、デルディファミリーのボスになったから、この同盟で少しは肩の荷が降りたのだろう。
「そう言って頂けて光栄です、サリサさん」
「さん付けしてなさらないで。気軽に呼んでくださいな。年齢も近いでしょう?私達」
「…では、サリサ、でよろしいですか?」
「ええ」
そう言うと、彼女は美しく微笑んだ。それは今日、十代目と見ていた雪のようだった。
白い肌に、漆黒の艶髪。白と黒のコントラストが本当に美しくて…。自分と彼女がまるで別世界の生き物のようだった。
それから数十分が経ち、サリサとは別れて、俺は食事をしていたレストランの前に居た。
ここと家までは近いので歩いて来たが、今は雪が降り積もっていた。来たときは積もってなかったのに…。
任務を任されるようにはなったが、俺等はまだ高校生なので家からボンゴレの本部へ通っている。
だから、車で送り迎え、という便利なものはついていない。
どうするかな…。
雪が降ってるせいでブーツが濡れてしまうし、寒い。このブーツは十代目がくださったものだから濡らしたくねぇんだけどな…。つかコート着てても寒いってどうかしてるぞ。
近道でも使うか?でも、あそこら辺の道は人が少なくて危ないから、と十代目から言われてたしな…。
ま、今日ぐらいいいか。
そのほうがあまりブーツ濡れないし。
ギュ、ギュと柔らかさと固さのある雪達を踏み、足を進める。
本当にこの辺は人がいねぇな、なんて思いながら暗い夜道を歩いていると前から車の音がしてきた。下を向いていた頭を上げると、車はすぐそばにあり、車のライトが眩しくて目を反射的に瞑ってしまった。
そのとき、いきなりみぞおちを殴られ、何がなんだか分からないまま俺は意識を飛ばした。
「起きろ」
ビシャッと冷たい冷水が顔にかかって目が覚めた。
そこには数人の男。暗くてよく見えない。
手首は紐かなんかで頑丈に絞められていて痛いぐらいだ。
「すっげえ美人…」
「肌もな」
聞こえてきた声はイタリア語ではなく、英語。男の、興奮したような声。
そのあとに、冬にも関わらず汗で湿っている何本もの太い腕が、俺の体を弄る。
「っ…んー!んんぅっふっ!」
声を出して抵抗したくても、タオルで口を塞がれているため、うまく声を出せない。
気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い…
嫌、嫌、嫌、いや…!
十代目…っ
ここまでくれば、自分が今から何をされるのか分かってしまう。
怖くて、怖くて、震えが止まらない。そんな俺の心情とは裏腹に、目の前の男達は息を荒くして、気持ち悪く笑っている。
なんで、なんで俺が。
どうして。
涙が出るとか、そんなレベルの話じゃない。怖くて涙なんか渇いてしまっている。
必死に声や心で叫んでも、目の前の男達は事を進めていく。
急にとてつもない痛みを感じた。身体が引き千切れそうな痛み。
その後に、自分の中に何かが溢れたことに気付いた。
何かも分からなくて、痛みと十代目への申し訳なさで、やっと涙が出た。一度出ると止まらなくて、狂ったように泣き叫んだ。
痛みと、自分の中で何かが溢れる感覚を何度も何度も感じながら俺は気を失っていった。
一瞬で、切り離された幸せ。
もう二度と、戻ってこない。
ごめんなさい、続きます;
.