本来は風紀委員以外に誰も近づくことのないはずの応接室に、一人の少年がいつもの様に雲雀のもとに現れた。




「雲雀くん!!!」


「あなた、また来たの…?」


「本当は嬉しいんでしょう?」


「…か、かみ殺すよ!///」


「顔、赤いですよ?」


「ッ…五月蠅いよ!」


「やれやれ…素直じゃないですねぇ?」


「3秒以内に僕の視界から消えないと、」


チャキ…と、トンファーを構える雲雀。


「では、また明日」



〜翌日〜


その日、雲雀はとてもイライラしていた。


その訳は、


「どうして来ないの」


そう、いつもなら窓から姿を現わすはずの骸が来ないからである。


「何でこんなにイライラするの…」


しかし本人は気付いてない。


「………!」


ふと屋上を見ると、骸の姿があった。


沢田綱吉らと共に。


「沢田…」


骸は沢田綱吉にちょっかいを出しているようだった。


「来てたんだ…」


骸の姿を見ただけで、胸が脈打つのが分かる。


暫く見ていると骸はこちらに気付いた様で、一度雲雀に視線を向け、不敵に笑うと、また向き直し、


「!」


沢田綱吉に抱き付いていた。


その瞬間、チクリと痛みにも似たような何かが胸を刺した。


「ッ…」


雲雀は勢いよくカーテンを閉めて、ドカッと椅子に座った。


「なんか…ムカつく」


そう呟いたと同時に、応接室のドアが開いた。


「クフフ…こんにちは雲雀くん」


「!…何しに来たの?」


「雲雀くんに会いに来たんですよ?」


「…そう」


「どうしたんです、いつも以上に顔がムスッとしていますよ」


「誰のせいだと思ってるの?」


ニヤニヤと笑いながら、

「さぁ…誰のせいなんですか?」


と聞いてくる骸。


「知らないよ!」


「おや?そういえば雲雀くん、さっきこちらを見ていませんでしたか?」


「…それが何」


「ねぇ雲雀くん、僕とボンゴレを見ている時、どう思いましたか?」


「?」


「胸がチクンとしませんでしたか?」


そう言いながら近付いてくる骸。
「僕を見ていると、胸がドキドキしませんか…」


「!」


「当たっているでしょう?」


そう言って雲雀の耳を甘噛みする骸。


「ッ…///」


「ほら、言ってごらんなさい…」


「む…骸を見てると、…何かドキドキする」


「はい」


「沢田に抱き付いてるの見て…胸がチクッとした」


「はい」


「僕は病気なんだよ…骸を見てると胸がドキドキしたりチクッてなるんだよ」


「雲雀くん、それは病気ではありませんよ?」


「病気じゃないならこの胸の痛みをどう説明するつもり?」


「…クハハッ!まさかここまで鈍感だとは思いませんでした」


「?」


「雲雀くん、それは…」


《恋の病、ですよ》


骸は雲雀の耳元で囁いた。


「恋の…病?」


「はい」


「骸が直してよね?」


「!…はい、『恋』が『愛』に変われば問題ありません♪」


「そう」


「クフフ、それでは早速注射しましょう!」


「ちょ…変態発言だよ…」


〜END〜


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