僕はいつもの様に、恭弥の所に来ていた。
「恭弥、何を飲んでいるのですか?」
「ブラックコーヒーだけど?」
「ブラック…ですか…」
「何…飲みたいの?」
「い…いえ、ただ…おいしいのか、と思いまして…ね」
「あぁ…そう言えば骸は甘党だったっけ…」
そう言って雲雀はクスッと笑った。
「な、何で笑うんですか…」
「いや…如何にもブラックコーヒーでも飲んでそうな顔してるに…」
「僕は苦い物は嫌いです、…ッ!」
突然、雲雀にキスをされた。
「んっ…ふぁ…う…ん…あ…」
骸の口内を侵していく雲雀。
「…きょ…やぁ…ん…」
唇が離れると、銀色の糸が名残惜しそうに2人を繋いでいた。
「骸、」
「何ですか?…んんっ…?!」
また恭弥にキスされたかと思ったら、今度は口の中に何かの液体が流れこんできた。
「ん…げほっ…はぁ…」
「おいしかった?」
「な…何するんですか!」
「苦いなんて飲んでみなきゃ分かんないでしょ」
「ブラックですよ!?飲まなくても分かります!」
「まだ骸には分かんないか…、大人の味だからね」
「別に分からなくてもいいです、コーヒーなんかより、ココアのほうが美味しいです」
「ココ…ア…?」
「はい、作って差し上げましょうか?」
「美味しいの?」
「はい、とても」
〜数分後〜
「出来ましたよ、」
「ん…」
雲雀が目を瞑って口を開けてきた。
「何ですか?」
「飲ませて、口で」
「なっ!…///」
「早く」
「………」
「ん…」
ゴクッと喉をならしたところをみると、飲んだようだ。
「美味しいですか?」
「甘…」
「砂糖たっぷりですから」
「こんな甘いもの飲んでるの?」
「甘い物、好きですから」
「そう…」
「恭弥…?」
「コーヒーが大人の味なら、ココアは子供の味だね」
「そうですか?やっぱりココアはお嫌いでしたか…」
「好きだよ、」
「!」
「骸の口移し限定だけど」
そう言ってニヤッと笑う雲雀。
「…///また飲ませてあげます」
「楽しみにしてるよ」
雲雀はそう言い、あくびをして、『眠たいから寝る』と言って、骸に寄り掛かった。
「おやすみなさい、恭弥」
「うん…」
雲雀はすぐに寝てしまった。
「恭弥、」
《僕も恭弥が飲ませてくれるなら、苦いコーヒーでも何でも飲みます》
1人そう呟いて骸も眠りについた。
〜END〜