「おい、ツナ」

「なんだよ?今日、疲れてるんだから修行とか勘弁だからなー」

「修行だぞ。でも今日じゃねえ」

「いつだよ?」

「明日だ。明日の修行は今までとは違うぞ。」

「な、何するんだよ…?」

「獄寺とデートしてこい」

「え?」






我慢?そんなの知らない






「母さん、行って来ます……」

「気をつけて行きなさいよー」

「はいはい…」




昨日の夜。
リボーンが出してきた修行は獄寺くんとデートしてこいってやつだったから、俺は歓喜きまわりない気持ちだった。

でも、デートに行く前に………


『今日は獄寺にキスとかしたら駄目だからな』

『はあ!?何でだよ!?』

『今日の修行は忍耐力を高めることだ。まあ、自分の欲望に勝てるかどうかってやつだ』

『そんなんじゃデートする意味ないじゃん!!』

『アホか、お前は。修行だって言ってんのが分かんねぇのか』

『だっ、だからって、何で『口答えするんじゃねえ。お前が獄寺とデキてるってだけで腹立つんだから、これ以上口答えすんじゃねえ。』

『それってお前の僻みだろ!?』

『あ゙?』

カチャ、とリボーンは俺の頭に銃口を向けたてきた。

『ひぃっ!』

俺はこれにビビってリボーンのいうことを訊くことにした。
逆らったら怖えし…






そして、今に至る。


はぁ…獄寺くんにキスできないなんて……

でも、手とかは繋いでいいんだよな?
うん、そうじゃないと困る……

「十代目え〜!!!」

「!、獄寺くん!!」

そんなことを思いながら待ち合わせ場所へ向かっていると、前から獄寺くんが俺を呼びながら走ってきた。

可愛いなあ……
もう……


「ゴメンね、遅刻だった?」

「いいえ!大丈夫です!!」

にかっと歯を出して笑う獄寺くんに、俺はキュンとした。
獄寺くんを見る度にキュンってするけど。


「じゃあ、行こうか!」

「どこ行きますか?」

「遊園地とかは??」

「いいっすよ!行きましょうかっ!!」

こんなに張り切っちゃって…!
もう、修行なんてどうでもいいや〜

「獄寺くん、」

「何ですか?」

後ろを振り向いた獄寺くんにキスをしようと、俺は獄寺くんに近付いた。

あと、少しで………

ドコッ!!

「いったーっ!!!!」

あと少しでキス……だったのに、どこからともなく本が上から落ちて来て俺の頭に本の角が当たった。

「だ、大丈夫ですか!?」

「う、うん………」

今の何だったんだよ…
まさか、リボーンが!?

あたりだぞ

リボーン!?

てめぇ、修行だって言ってんのが分かんねぇのか?

そんなの無理だよ!

無理?無理じゃねえだろ?やる気がねえだけだろうが

っ、…
それは……

やれよ。やらなかったら…分かってるよなあ?

…はい……ι



「十代目?どうされたんですか?」

「ううん。何でもないよ。あ、もうすぐで着くね」

「そうですね…、」



冬だから、寒くて息が白い。
今日は、いつもより寒いかもしれないなー。
獄寺くんが風邪とか引いたら大変だし…

「獄寺くん、遊園地入ったら何か温かいもの飲まない?」

「あー、今日寒いっすからねえ。十代目が風邪を引かれたらいけませんからね!そうしましょう!」

「ありがとう、獄寺くん。」

そう、言って獄寺くんの頭を撫でようと手を伸ばすと

ドンッ

と、どこからともなくボールが来て、頭を撫でようとした手に思いっきり当たった

「っ!いってえ〜!!!!」

「!?大丈夫ですか!?」

「っ、…う、ん……」

これは結構、キたぞ…


おい、リボーン!

なんだ

何で、ボールなんて投げてくるんだよ!?

ムカついたから、じゃねえ、修行だからだぞ

今、明らかにムカついたからって言っただろ!?わざとか!?わざとだろ!?

まあ、そんなもんだ

ふ・ざ・け・る・なあー!!


「じゅ、十代目っ…?大丈夫ですかっ?」



「ゴメン、獄寺くん…っ、心配かけて…。でも大丈夫だから!」

「……もしかしたら十代目、誰かに御命を狙われているんじゃないですか!?」

「え、!?」

「絶対そうですよ!!!危ないので今日は帰りましょう!!!!」

えぇ〜〜〜っ!?
待って!待って、獄寺くんっっ!
違うんだよ!!!
これはリボーンがあぁぁーー!

俺がなんだ?

リボーン!!!!
お前のせいで獄寺くんが変な誤解してるじゃないか!!!!どうしてくれんだよ!?

だって、だって…ムカつくんだもん…

こういうときだけ、そんな甘えた声出すなよ!!!!!
あー!!!獄寺くーんっ!!



「獄寺くんっ!違うんだ!!!俺、命とかマジで狙われてなくて!!実はこれ、リボーンが!」

「十代目!!危ないっ!!」

ビュッッ


と、ものすごい速さで弓が俺の元へ来た。
でも、俺が気付くより先に獄寺くんが俺を庇っていた。

「十代目っ!大丈夫ですか!?」

「馬鹿っ!!何してるんだよ!?もし獄寺くんに何かあったらどうするの!?」

俺がいきなり叫んで怒鳴りつけると獄寺くんは身体を揺らし、ビクッとさせた。

「っ、だって…じゅっ代目にぃっ…何か、あ、たらっく、俺…っ」

「っ、獄寺くんっっ!ゴメンっ…いきなり叫んで、ゴメンっ」

「ふぇっ、すみませっ…」

「っ、」

泣いている獄寺くんにどうすることも出来なくて、俺は震えている獄寺くんを、ギュッと抱き締めた。

「!!!///十代目っ!?」

「ゴメン…///なんか、こんなことしか出来なくて…///」

「いや、逆に嬉しいです…っ///

「……っ///」



あー、本当に可愛い。
もう我慢なんてしない…。






我慢?そんなの知らない
(だって、大好きなんだもん)










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