君のことが愛しくて愛しくて、
狂ってしまいそうです。
君は僕のものだ。
誰にも渡さない、渡したくない。
もし君が僕以外の誰かを好きになるというのなら、
僕は、君を………
殺してしまうかもしれない。
「雲雀君、迎えに来ましたよ…帰りましょう?」
「骸……」
「どうしたんです?怯えてませんか…?」
「そんな訳ない、でしょ……僕が骸に怯える必要なんてないし」
「それもそうですね…、では帰りましょうか」
「うん」
怖くない。
恐くない。
大丈夫。
怯えちゃ、だめ…
「よっ、雲雀!もう帰るのか?…って、骸も居たのな〜」
「ええ、こんにちは山本武」
「……っ……!」
「おう!あ、俺部活あるからまたなのな〜」
「はい、それでは」
「あ…雲雀、親父がまたいつでも寿司食いに来いってさ!」
「!…あ…、うん…」
バレた。
僕は先日、竹寿司…もとい山本の家に寿司を食べに行った。一人で…
その事が今、骸にばれてしまった。
(どうしよう…、)
「なるほど…それで怯えていた訳ですか」
「……ごめん、でも」
「言い訳は結構です」
そう言うなり骸は僕の手を強く握り、歩き出す。
「…いた、い……!」
「黙って歩きなさい」
骸は冷たい声で
冷たい目で、
僕に冷たく言い放った。
行き先は、きっと骸の家だ。
マンションの最上階、その一室に骸は住んでいる。
骸らしい殺風景な部屋…
僕はそこに置いてあるベットに、放り投げられた。
「…骸…、」
「言い訳なんて…聞きたくないです」
「ちが…」
「僕は前に言いましたよね…次に僕に内緒であいつの所に行ったら許しません、って」
「……………」
「あんなに言ったのに…」
「骸、僕の話聞いてよ…っ…、」
僕がそう言うと、骸は急に言葉を発しなくなった。
「骸?」
バチン、という音と共に、頬に痛みが走った。
それから立て続けに、お腹に激痛が走る。
「口答えはしないでください…、どうしてですか…恭弥」
「……っ……」
僕は殴られながらも懸命に骸の言葉を聞き取る。
「僕はこんなにも恭弥のことを愛しているのに…僕以上に君を愛している者などいないのに…!何故君は僕を愛してくれないのですか…」
そう言い終えると、今度は僕の来ているYシャツに手をかけ、一気に服を破いた。
これから行われることは、考えるまでもない。
僕はいつものように骸に身を任せた。
(骸は怖い……けど、それでも僕は君の事が嫌いになれない……だから、)
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目が覚めると、もう朝になっていた。
僕はいつの間にか気絶してしまったようだ。
隣に目をやると、そこには骸の姿はなかった。
するといきなり部屋の扉が開いて、骸が入ってきた。
「むく…「恭弥」
「なに…?」
「僕はもう、君の側にはいれません」
「…?」
「僕は…君を愛してはいけないんです、だから、もう会いません」
「骸…僕は、君になら…殺されたっていい」
「!」
「確かに僕は骸が怖い…、けどそれ以上に骸を愛してる」
「恭弥……」
「だから…お願い」
「っ…だめ、です」
「どうして!」
「すみません、恭弥」
そう言って、骸は部屋を出ていった。
それからいろんな場所を探したけれど、結局骸は見つからなかった。
「恭弥…今頃何をしてるんでしょうか…」
僕が恭弥と最後に会ったのはもう半年以上も前。
もしかすると忘れているのかもしれませんね…
それは寂しい気もしますが…できれば僕のことは忘れてほしい。
あれでよかったんです。
あれで…
僕は間違っていない。
だって…
全ては君を想うが故に。
(でないと僕はきっと君を壊してしまうから)
〜END〜