ATTENTION
黒田くん・ヒロイン共に別に恋人が居ます。
ご了承の上、閲覧下さい。
黒田くん・ヒロイン共に別に恋人が居ます。
ご了承の上、閲覧下さい。
最近、オレのお気に入りの場所がある。
そこには可愛い黒猫がよく寛ぎに来ていて、最初は警戒されて全然近付けなかったが、ようやく手から直接餌をあげれるまでになった。
今日こそは頭を撫でてやる!と向かったお気に入りの場所には先客がいた。
「あ゛!?」
今まで誰とも会ったことなかったから完全に油断していた。
思わず声が出てしまい、先客が振り向いてこっちを見てくる。
『黒田...?』
「苗字...?」
先客はなんと同じクラスの苗字名前だった。
つーか、つーかッッ!!
「ハァァァ!?」
振り向いてこっちを見ている苗字の膝の上にはオレが手懐けようとしている黒猫が苗字に撫でられてゴロゴロ鳴いている。
『え、な、何?』
「その猫、苗字の?」
『いや、今日初めて会った。可愛いよねぇ』
「ハァァァッ!?」
マジかよ...
落胆するオレを見て、苗字が座っている場所を1人分横にズレる。
空けてもらって座らないわけにもいかず、苗字の横に腰掛けると苗字がニコッと笑う。
『多分今なら大丈夫だよ』
そう言われて恐る恐る黒猫の頭に触れる。
そして撫でることが出来た。
可愛い...毛並みもイイし、可愛すぎんだろォがッ!
『もしかしてお前も女好きなのか〜?』
苗字が黒猫にそう話しかける。
苗字の言葉に違和感を感じつつも何も言わないでいると、苗字がオレに話しかけてきた。
『黒田はさ、彼女と上手くいってる?』
大して話したことのない苗字からそんなことを聞かれるとは思ってなかった。
「あー...あんまりだな。俺が自転車ばっかでつまんねェから他の男とデートするとか言ってマジでデートしたらしいわ」
『へぇ...』
「何だよ」
『私の彼氏浮気が酷くてさ...今回で5回目だったかな...』
そう言うと苗字は黒猫を優しくギュッと抱きしめた。
かと思えばバッと顔を上げてオレの方を見る。
というか見つめられてるっつーか...
『...ねぇ黒田...キス、しよっか?』
苗字の口から出た言葉を頭の中で文字にする。
「...は?」
驚いて手を動かすとその先には苗字の手があって、触れてしまう。
そのまま苗字の手が弱々しくオレの手を握った。
『...ダメかな?』
上目遣いで、捨てられた仔犬みたいな瞳で、苗字がオレを見つめる。
「どーなっても知らねーからな」
チュッと触れるだけのキスをする。
すると苗字の膝で寛いでいた黒猫が、ピョンと飛んで膝から降りると走って何処かに行ってしまった。
『あ...』
寂しそうに黒猫の方を見ている苗字を見て、オレは無意識に苗字の頭に手を添えて顔を自分の方に向けさせると、苗字の少し開いた口の隙間から舌を差し込んだ。
ビックリしてオレの腕をギュッと掴む苗字の身体を頭を固定していない方の腕でギュッと自分の方に寄せる。
驚いて目を開けていた苗字も次第に目を瞑って、オレの舌に自分のソレを絡ませる。
そしてオレの腕を掴んでた苗字の手は次第に力が抜けていって、オレの背中に弱々しく回された...
『ねぇ黒田...明日もまた猫触りにくるの?』
「オレ1人だと多分触れねェけど」
『じゃあ私も明日またここに来るから、一緒に触ろう?』
頬を赤らめながら言う苗字にオレは口角を上げた。
「いいぜ、また明日な」