藍染達の離反時の設定
・市丸ギンに夢見てるよ!
・市丸ギンのデレがあるよ!

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一陣の閃光が悠然と笑みを浮かべ朗々と御託を述べていた藍染の胸を貫いた。

「ーー…ぁ、?」

唖然と目を見開いた藍染がのろのろと手に胸を当てる。じわり。白い隊長羽織が瞬く間に赤く染まった。
あぐあぐと意味も無く口を開け閉めして、唐突にごふりと咳を一つ。口を覆った手に鮮やかな赤色の血を吐き出して藍染が膝をついた。
誰もが声を出すことが出来なかった。
誰もが指一本動かすことが出来なかった。
たった一人をのぞいて。
じゃり、と砂を踏みしめ一人の男が裂けた隊長羽織を翻しながら振り返る。
空の青に溶け込みそうな程の透ける白藍が瞼の裏に焼き付いた。

「っ、ぎ…ん…!?」

誰かの掠れた呻き声が彼を呼ぶ。
光を反射させて輝く短い斬魄刀を片手に持って、藍染を見下ろしていた男ーー市丸ギンが返事をするように微笑んだ。
切っ先を伝い赤い血が地に血だまりを落とす、瞬間ーー!

「っ、貴様ァ!!」

藍染の声に異常を悟ったのだろう東仙がギンに飛びかかった。
乱菊が咄嗟にギンの名前を叫ぶ。
ざわりと空気が波打った。
振り下ろされた斬魄刀はしかしギンの羽織すらかすることなく乾いた地面に落ちる。とん、と軽い音を立ててギンが東仙の背後に現れ乾いた地に足を下ろした。

「ひゃぁ…相変わらず、怖い怖い」

ぐらりと東仙の体が崩れ落ちた。
倒れ伏したその姿を見ずに戯けた様に肩を揺らし、ギンはそう嘯く。まるで道化の様に。
そうして、一言。

「藍染隊長、申し訳ありません」

慇懃無礼にそう言ってゆるりと口元を緩ませ、声を立てずにギンが笑った。
そのだらりと下げられた手には相変わらず斬魄刀が握られていて。
さも、申し訳なさそうに眉が下がった。

「藍染隊長はボクを己の副隊長やとおっしゃりましたね」

「せやけど、すんません。ボクの隊長は今も昔もあんたやありまへん」

不思議な訛りの声が歌う様に言葉を紡ぐ。
穴の空いた胸を押さえ苦しそうに喘ぎ忌々し気に己を睨みつけてくる藍染をただ見下ろして。こてり、と傾けられた頭を追う様に揺れた銀色の髪が肩を流れた。
そのまま斬魄刀を地に突き立てる様に刃を下にして構えたギンが、ゆっくりと口角をつり上げる。

「ボクの隊長は今も昔もーー…」

その手がゆっくりと柄から離れて、音も立てずに斬魄刀が地に吸い込まれた。

「平子隊長ただ一人ですわ」

「…ーーなんや、こっぱずかしいこと言ってくれるやないの」

聞きなれない誰かの声が響いた。瞬間。
その瞬間、藍染を中心に光の線が走る。


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この後平子無双をしてみたり、ハートフルなギン乱があったりしたりした



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