海月の骨/お題:「節約できない節約家」



「あー!!勿体無い!!」


電気を付けながら音楽をかけてメールを打つ私に

どこから湧いて出てきたのか、

指を差し大声を出すこの男。




物凄く、物凄く矛盾。

その言葉しか合わないような性格の男。

むしろ この言葉が合うのはこいつしかいないのではないか?


それほど重傷。


「電気消して!!
音楽かメールかどっちかにして!!」


なにをカリカリしているのか、

凄い勢いで電気を消して音楽を消した。


電気も音楽も消せば、そりゃ今部屋にある明かり、といえば

携帯のみ。

呆然と男を見ている訳だから、携帯なんかほったらかし。

当たり前のように消えた携帯の明かり。


「うわっうわわっ!!」


途端に、騒ぎ声とガチャガチャと何かが蹴っ飛ばされるような音が

部屋に響きだす。


……はぁ…


ため息を付かずにはいられないその状況。

敢えて言葉は発しず、立ち上がり電気を付ける。

「やっぱり」

声を漏らさずにはいられない。

案の定、部屋はグッチャグチャで男は倒れていた。


「ちょっと、起きて」

「ごめん…」


手を貸せば立ち上がり、ベッドに座り頭を下げる。

不覚にも、そんな男が可愛く見えた…


「…いいけど…」


この部屋、どうしてくれんのよ

グッチャグチャになった部屋を見渡すも、ため息しか出ない。


やっぱり、矛盾。

節約だなんだ
無駄使いだなんだ

言っている割には私の仕事を増やし、しなくていい事までやり、

結局、その分の電気代がかかる。


矛盾矛盾矛盾矛盾…。


でも、


「ごめんね」


まぁ…いいか。


――甘いのかな、私


提供者:海月の骨さま
作者:はるな


*あとがき

節約できない節約家
と、いうより

節約できてない節約家
といった感じでしょうか?笑

可愛らしい男の子登場。
きゅんきゅん/

ドジっこなんだかしっかり者なんだかって感じですよね。

2人の関係はご想像にお任せです!←


最後までありがとうございます!