千昭×真琴
郁さまリク
*
再びたどり着いた君のいる時代。
お互いにちょっとだけ大人になって、でも君は相変わらずでホッとした。
やっとこさ出した俺の結論に、はにかんだように笑った顔は、以前より少し『女の子』になっていて、俺をドキッとさせた。
「よぉ。」
アパートの玄関のドアを開けると、照れ隠しにぶっきらぼうな声で一言だけ言った真琴が可笑しくて、でも(あぁ、変わってないな)なんて思いながら、おんなじように一言だけ返して部屋へと招き入れた。
「お、お邪魔します。」
どこか緊張したような彼女は、なんだかカタい。
部屋に入ると、所在なさげに俺の部屋の中を見回している。
「まぁ、取りあえず適当に座れよ。
なんか入れるから。」
いつもの真琴だったらもっと飄々と我が物顔でベッドに腰かけて「喉渇いたよ、千昭ぃ。」とか言いそうなものだが、今は借りてきた猫のように大人しい。
簡素な作りのキッチンから、コーヒーの入ったマグカップを2つ持って部屋へ行けば、真琴がテーブルの横でちょこんとしゃがんで呆けたように空を見ていた。
「真琴?」
ハッとしたように此方を向いた真琴だったけど、またすぐに視線をそらされてしまう。
コトンとカップをテーブルに置いて隣に座る。
せっかく近くにいるのに、わざとらしいぐらい顔は彼方を向いていた。
「真琴ー?」
「な、なに?」
上擦った声は、やっぱり緊張を含んでいる。
それにどうしたものか…、とこっそりため息混じりの苦笑を漏らした。
ふと目に入ったのは、床に垂らされた真琴の右手。
然り気無さを装って、そっとその小指に自分の左手の小指をあててみる。
ビクリと肩が跳び跳ねた。
その、なんともわかりやすい反応に、つい洩れそうになる笑いをグッと堪えた。
「どうかしたのか?いつもより大人しいけど。」
『前より』ではなく『いつも』と言ったのは、開いてしまった空白の時へのちょっとした抵抗だったりする。
「な、なんでもないよ。ホント!」
焦ったような声。赤くなった耳。
あの時は見れなかった彼女の反応。こればかりは嬉しい変化であった。
「真琴、」
「な…」
に?と続くはずの言葉は途切れて、彼女が息を飲んだのがわかった。
キュッとその指に自分の指を絡めて握ってみると、意外に華奢な指。
そこで、あの頃こんな風に手を握ったことすら無かったことに気づいた。
互いに無言になって、まだ物の少ない部屋に静寂が訪れた。
この先は無理だろうなぁ…。と恋愛に免疫が無いだろう彼女を見つめていると、ゆるゆると頑なに彼方を向いていた顔が此方へとその方向を変えた。
「まこ…」
「あの…」
その顔はやっぱり赤くて、でも掌には握り返してくる弱い圧迫。
「なんだ?」
優しく先を促してやると、恥ずかしそうに目を反らしたり、また目線を合わせたり。
「ん?」
そんなに恥ずかしいのかと、初々しいまでの可愛らしい反応に、少し緩みそうな頬を彼女にばれないように抑える。
誤魔化すように耳を彼女に近づけると、遠慮がちな声。
「もっと…触ってよ。」
固まったのは俺の方。
赤くなったのは二人とも。
(あぁ、くそっ不意打ちだ…!///)
そんな俺を見て、少し慌て出した真琴。
「えっあっ;!!な、何言ってんだ私ってば!?///
ごめん、今の…」
言葉は、途中で途切れた。
今はまた、静寂が二人きりの部屋を埋める。
いや…二人の早くなった鼓動が、この小さな部屋で時計の針の音よりもやけに耳についた。
だってこんな可愛いことを言い出した彼女に、答えない訳にはいかないだろう?
この腕の中に
君を迎え入れられた俺は、君の"コイビト"になれたということなんだって、幸せと共に実感が沸いた。
取りあえず今は、自分の心臓が止まりませんように。
*
甘 す ぎ た\(^p^)/
取りあえず、恋人らしい触れ合いに慣れてない初々しい真琴を書きたかったのにキャラ崩壊(汗)
取りあえず恋愛に免疫無さすぎる真琴萌。
郁さま!
リクエストいただいたものに沿ってるんでしょうか;?(聞くな)ガチで返品可ですからっ!!
お待たせしてしまって申し訳ありません(汗)
でもお陰様で久しぶりに時かけが再燃しました(笑)
ちあまこって最高(゚∀゚)!!
リクエストありがとうございました![](//img.mobilerz.net/img/ez/0051.gif)