(千昭)×真琴

真琴独白



どんなに自分に時をこえる力があったって



後悔は…するんだって

今ならわかるよ





でもね、

あなたに会えたことは絶対に後悔なんてしない



たとえ君にもう二度と会うことはなくても










「俺と…付き合えば?」



そんなこと、マジな声して言わないでよ。

アタシ恋愛に免疫ないのわかってるくせに。


あの時自分の気持ちが決まっていれば
あの時君の気持ちを受け入れていれば




君との未来は…待ってたのかな?




なんて、今更後悔。





彼がこの時間(とき)を去って、もう一年もたつのにね。


あの時
スクランブル交差点で現れては消える君の姿がこわかった。


一度も振り替えることなく、背中で手を振る君の姿に言い知れない恐怖が自分を襲ったこと



…今では誰にもわかんないのよね。




覚えているのは過去へ戻ったバカだった私。





「俺と…付き合えば?」


「うん。そうする。」



そんな未来があったっていいじゃない?

二人でナイター見たりしたかったしさ。



百合といい感じになっちゃうとか…


ああっないない!なかったんだ!
あたしがっ!


…あたしが…無かったことにしたんだ。







…気持ちばかりが今もタイムリープするのはどうしてだろう?

何故かあの数ヵ月が鮮明に脳みそに焼き付けられたように残ってる。

不意に思い出す度切なくなる乙女心をいい加減何とかしてほしい。





「うん、そーする。」





土手道で一人呟いたところで何かが変わるはずもなかった。


それはたぶん教室やグラウンドであっても。

もう卒業した学校には入ることはできないけれど。








Time waits for no one.







ふと、理科室の黒板に書かれた文字を思い出した。



そうだね。

時間はいつだって流れてる。



だから後悔するし、後悔したくないともがくし、


時間(とき)をこえたいと願うんだ。






「うん、そうする…」




できることなら




「うん、そうしたい…」




そう…したかった




この言葉だけでも未来の彼のもとへ飛べたらいいのに。







性懲りもなくそう願ってしまう自分は、タイムリープ依存症のようだった。







或いは、君依存症






もう帰ってこいよ




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