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ファラオさん目当てで行ったレッド寮で会ったのは始業式で一目見た時から気になっていた留学生のジム・クロコダイル・クック。
そう、私は彼がとても気になっていた。私は彼に聞きたい事があるのだ。

「始業式の日から気になってたんだ、私はジム、あなたと話してみたい」

私がそう言うとジムは固まりパチパチと二度程瞬きをして、少し戸惑ったような顔をした。なんだろうか、何か変なことを言っただろうか。
十代に会いに来たのだし、都合が悪いのだろうとあたりをつけて「時間が無いならいいんだ、すまない」と謝ればジムは慌てたように「いや、大丈夫だ、時間はある。話そう」と訂正した。
嬉しくなって「ありがとう」と返せば彼は爽やかな笑顔で「Don't worry」と返してくれた。なんて良い人だ。


「なら改めて自己紹介をしよう。ジム・クロコダイル・クックだ。こっちはカレン、俺のFriendだ」

ジムは少し身体を捻り背負っているワニのカレンさん(と言うからには多分女の子なのだろう)を見せてくれる。
「カレンさん」と復唱するとジムに背負われたままのカレンさんは目だけでこちらを見て「がう」と返事?を返してくれた。
そうか、カレンさん。カレンさんと言うのか。なるほど。

「……もしかして気になっていたことってカレンの事か?」
「?!な、何故その事を?!!」

ジムの言葉に思わず飛び上がりそうになるほど驚けば「そんなにカレンのことをじっと見つめていたら分かる」と苦笑混じりに返され申し訳なくなる。
そう、始業式の日壇上のジムと一緒に現れたワニ。私はとてもとても気になっていたのだ。

「す、すまない……図鑑で見た事はあっても本物を見たのは初めてで……」
「HAHAHA、いいさ。何なら触ってみるかい?」
「いいのか?!」
「Of course!」

「ところで」とジムが口を開く。首を傾げると彼は頬を掻く。

「そろそろyouの名前を知りたいんだが……」

そこで初めて自分がまだ名乗っていないという事実に気付き思わず「あっ」と声を上げてしまった。慌てる私にジムは苦笑している。 

「私はオベリスクブルー3年、苗字名前だ。名乗るのが遅くなって申し訳ない」

そう名乗ればジムは「3年…同い年だったのか」と少し驚いた顔を見せた。身長か。身長を見て言っているのか。確かに目の前に座っている彼とはパッと見でもだいぶ身長に差があるようだが私は平均身長なんだ……!と思考がズレてきた辺りで「名前……?」とジムの声がした。いけないいけない。


その後カレンさんを撫でさせてもらい、カードや戦術の話をしている内にあっという間に時間は過ぎて十代も帰ってきた。

「やっと終わったぁあ……」
「Hey十代」
「おかえり十代、補習終わったみたいだな」
「もう大変だったぜ〜……ってあれ、なんでジムと名前が一緒にいるんだ?」
「おう!ここで会ったんだ!……そういえばジムは十代に用があったんじゃなかったのか?」
「そうなのかジム?」
「あー……いや、もういいんだ」
「そうか?」
「?」

ジムの苦笑交じりの答えに十代と顔を見合わせ首を傾げた。




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