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「この世界は退屈だ。自分が生きているのか生きていないのかも分からない屍喰鬼の様な人生で俺に生きている実感を与えてくれるのは身を、魂を削るようなデュエルだけだった。しかしそれすら、それすらも弱者だらけのこの世界で俺の渇きを潤してくれるような奴はいなかった。
だが名前、お前としてきたデュエルは、あのデュエルの記憶だけは俺の餓えをほんの少し満たしてくれる。お前の瞳が、声が、表情が、お前とのデュエルを俺に思い出させ生を実感させてくれる」
「言わんとしてる事はふわっとなんとなく分かったような気がしなくもないけどね黒咲、お前とデュエルしてたのなんて小学校の時でしょうが。美化されてんじゃないの?」
「自慢じゃないが記憶力には自信がある。それに、確かにお前も俺も幼く技術も戦略も何一つ無い児戯の様なデュエルだったがあの時確かに俺達は魂を削るような全力のデュエルをしていた。あの時の俺は確かに生きている実感で満たされていた」
「児戯ってかホントに子供だったからね。まぁ本人がそう言うなら別に良いけどさ、それは別としてね?私はなんでそんな事をお前に腰抱かれながら言われてるのかな?」
「言っただろう、お前の眼を見ると、声を聞くと、お前とのデュエルを思い出し俺に生きている実感を与えてくれる」
「もうちょっと分かりやすく簡単に言うと」
「お前を見てると興奮する」
「………………うわあああああ離せえええええええ!!!!!」
「暴れるな」
「そんな事言われて暴れない方がどうかしてるでしょうがこの馬鹿!阿呆!変態野郎!」
「別に馬鹿でも阿呆でも変態でもないが、名前のその口と声で罵られるのはなかなか悪くない。だが語彙が貧困だな。もう少し攻撃的でも構わんよ」
「うわあああああマジもんの変態だったあああああ!!!!!」
「知っているか名前?快楽的な興奮を促す神経伝達物質は戦いによる興奮を促す神経伝達物質の前駆体、つまりこの2つはとてもよく似ているそうだ」
「なんで今その話した?!うわ抱き寄せようとすんなお尻撫でんなやめろ馬鹿!」
「さぁ名前、俺に生きている実感をくれ」
「あああああくっそ何でこんな奴とデュエルしちゃったんだ昔の私!!!」



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