そして、お昼休み。
先輩は来てくれた。



「この手紙、君の?」

緊張で声がでない。
こくこくと首を縦に振る。

「合っててよかった。俺は2の3の荒木です」

「あ、と…、私は竹田いつきです、1年4組です。」

「ん、いつきちゃんね。」

うああああ、下の名前…!

「あの、えと、御呼び立てしてしまってすいません…」

「大丈夫、早弁して暇だったし」

「は、早弁っですか」

「意外?」

確かに、私は真剣な先輩しか見ていなかった。
先輩の新たな一面を知れて、嬉しかった。

そのせいで―

「はい!」

―――勢いよく返事をしてしまった。先輩が気にしてるかもしれないのに。


「…あ、すいません」


「ふはっ、なんで謝んの。いいよ、いろんな人から見た目と性格全然違うって言われるし」

「そうなんですか?」

「うん、自分でも割と餓鬼っぽいって思うもん。食い意地も張ってるし。さっきも友達とお菓子の取り合いしてきた!負けたけど…」

あからさまに、しゅんとする先輩。…可愛い。これがギャップ萌えか!
……ダメだ、我慢できない。

「先輩、そ、れ…ふ、」

笑いが止まらなくなった。堪えようとするも肩が震える。先輩は「お、堪えてる堪えてる」と呑気に私を見ている。いや、あなたのせいですから!

「ふはぁ…」

「落ち着いた?」

「なんとか、」

「うん、よかった。なんか緊張も解れたみたいだしね」

あ。本当だ。
始めは声も出せなかったのに。
これは気をつかってくれたんだろうか。
……先輩、優しすぎます。
あー、もう抱き着きたい!


「おーい?」

よし、言え!言うんだ、わたし!

「先輩!!あ、あの…」

「うん」







「抱き着いてもいいですか!?」







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