おかんポジション、榎本亮





中西草太、つまり俺も、幼なじみの一応女、つまり唯も、結局のところはあいつがすきなのだ。



本日は曇り!絶好の口喧嘩日和である。まあ、実際は知らないがな!とりあえず、喧嘩中。

「いーや、違う」
「はぁ?何言ってんの?頭大丈夫?」
「いーや、俺だ」
「あたしだし!」

俺、あたし、俺様、あたしだって、俺だよ!
オレオレ詐欺の皆様もビックリなくらいお互いが一人称を連呼しあう。



事の発端は、なんてたいそうなものじゃない。昼休みに雑談していただけなのだ。



「この前さ、亮がさ、ポケモソのレベルあげやってくれてさー。」
「はぁ?亮に何やらせてんのよ?」
「いやー、それほどまでに俺が亮に愛されてるってことよ」
「マジキモイ。ってか、あたしだって!夏休み中に朝9時半に毎日起こしてくれたし!」
「ハン!甘ったれだな!」
「あんただって言えないでしょーが。」
「ああ?唯、お前が亮の何を語れるってんだ?風呂だって一緒に入ったことねーだろ」
「小さいころはあるわボケェ」
「俺、この前の合宿で入ったもんね」
「うぜー!同じ土俵に下りてこい!」


それから、オレオレ詐欺反抗者もビックリなあの言い合いになった。


あれからどれくらいが経ったのか。とりあえず声は嗄れた。そんなときに話題のあの人はやってきた。


「お前ら、うるさい。クラスの奴からヘルプ入ったぞ。止めてくれって」

話題のあの人、亮だ。

「なあ、亮!一緒に風呂入った方が仲は深まるよな!同じ釜に入ったわけだし!」
「釜違いだろ。釜風呂ってどんだけあちいんだよ。なんかぐちゃぐちゃになってんぞ」
「ぷぷぷ、草太ばっかでーい。同じ釜のむじなだしぃ」
「唯、それも違う」
「ふひゃひゃ!ざまあ!」
「黙れや、草太ァー!」

チョップを白刃取りで受け止める。

「なぁ!仲深まるよな?」
「は?まあ仲は深くなるわな」
「ドンマイだな!唯より俺のが亮と仲いいんだよ」
「何言ってんの?亮はあたしのためなら夏休みの課題図書音読してくれるもん」
「亮は俺の為なら空だって飛べる」



俺、育て方間違えたかなぁー。と頭を抱える亮を余所に俺たちの喧嘩はヒートアップしていくばかりだ。




おかんポジション、榎本亮




「榎本くんって普段クールなのにねぇ。」
どこからか女子の声が聞こえてきた。
そうだ、亮のそういうとこは俺たちだけが知っていればいい。

「つーことで、亮のことは俺が一番知ってる」
「はぁ?まじで草太死ね!」
「お前ら、いい加減にしろ!」






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