「仁王ってさ、実は誰よりも心が純粋だよね」
「…………は?」
相変わらず、コイツは何が言いたいのかが分からない
「ははっ、コイツって酷いなぁ……」
「…………さり気なく人の心を読むんじゃなか」
「だって聴こえてきちゃうんだもん まぁ、仁王は比較的聴こえない方だけどね」
俺の名前は仁王雅治
立海大附属中学校男子テニス部のレギュラーをしていて、 通り名は『コート上の詐欺師』
俺の目の前に居て、勝手に人の心を読んでくださったのは、幸村精市
同じくテニス部のレギュラーで、我らが部長で 通り名は『神の子』
儚げで優しそうな第一印象を与えるが、 キャラの濃いレギュラー達を纏められるだけあって、一筋縄じゃいかない
その幸村精市は時々、突拍子も無いことを言ってくる
俺も中々掴めない性格をしていると思うが、 それを遥かに上回る位に幸村の性格は掴めない
もう3年近くコイツとは居るが、未だにキャラが分からない
「フフッ 訳が分からないって顔をしているね」
「実際訳が分からんからの」
「言った通りの意味だよ」
「………………………………」
意味が分からん
俺の心が純粋? ……『コート上の詐欺師』と呼ばれるこの俺がか?
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