長文 | ナノ
1-10
もしもの話を何万回。この世はどうして生きづらい
君のために生きることはできないから、せめて思い出を消し去ってほしい。どうか君も君のために生きてくれ。
最後にこの手に残ったのはぼろぼろのウエディングドレスだけ。必死になってばかみたい。
粉々に跡形もなく。頑張りすぎて砕けた心はどこに置いておけばいい?
君を置いていく僕を許して…なんて身勝手なことを言う僕を許して
どんなに月日が過ぎたとしても、あなた以外の愛を望むことはきっとない。
あなたの言葉は信じない。だってあなた嘘つきだもの
冷たく音をたてて閉まったドアに、別れを選んだ理由も聞けなかった
あのねあのねってそればっかり、でもやめられないしやめたくない
間違ってなかったと思える日まで頑張り続けなければいけないの。それがいつかなんてわかりっこないのよ。
11-20
もう一度だけチャンスをください今度は綺麗に終わらせるから
愛の言葉を飲み込んであなたの隣を歩き続ける。限界が来たってやめないわ。
どうしたって僕らは、生き続ける世界に生まれてしまったんだ
寂しさも悲しさも全部全部ないことにして、なのにどうしてあなたがいない
絡めとられてさあお終い、あとは覚悟を決めるだけ
かわいそうだと笑ってよ、それで少しは救われるから
君と生きるためならば嘘も本当にしてみせる。けれどもなんだかとても虚しい
白馬なんかじゃなくていいから、早く私を迎えにきてよ
寂しい寂しいと叫んだとして、その声がだれかに届くはずもなく、地面に落ちて消えるだけ
だってだってどうしようもなく好きだった
21-30
黒いどろどろが私の口からこぼれて、こぼれて、
時計の音に耳を済ませて、日付が変わる瞬間を嘆いた。
長いこと二人で生きてきたけれど、どうしたってあなたの一部にはなれなかった。
射殺すようなその鋭い視線の名前を私は知っている。
孤独といつでも隣り合わせ。君がこの先側にいる保証なんてどこにもないんだ。
すべてが終わった瞬間この世が終わったような気がした。そんな、喪失感。
比べることに慣れすぎて、何もかもが素直に受け入れられない。
そしてそのまま生きていくのだ。我が子の死体に気づかないまま
胸が痛くて、どうしようもなくて。いつまでも棘を抱えたまま、いつか溶けて無くなると信じて。
すべてに見捨てられた気がして、涙も出なくて、それでも心臓が時を刻むから。