長文 | ナノ


1-30  



1-10

もしもの話を何万回。この世はどうして生きづらい

君のために生きることはできないから、せめて思い出を消し去ってほしい。どうか君も君のために生きてくれ。

最後にこの手に残ったのはぼろぼろのウエディングドレスだけ。必死になってばかみたい。

粉々に跡形もなく。頑張りすぎて砕けた心はどこに置いておけばいい?

君を置いていく僕を許して…なんて身勝手なことを言う僕を許して

どんなに月日が過ぎたとしても、あなた以外の愛を望むことはきっとない。

あなたの言葉は信じない。だってあなた嘘つきだもの

冷たく音をたてて閉まったドアに、別れを選んだ理由も聞けなかった

あのねあのねってそればっかり、でもやめられないしやめたくない

間違ってなかったと思える日まで頑張り続けなければいけないの。それがいつかなんてわかりっこないのよ。


11-20

もう一度だけチャンスをください今度は綺麗に終わらせるから

愛の言葉を飲み込んであなたの隣を歩き続ける。限界が来たってやめないわ。

どうしたって僕らは、生き続ける世界に生まれてしまったんだ

寂しさも悲しさも全部全部ないことにして、なのにどうしてあなたがいない

絡めとられてさあお終い、あとは覚悟を決めるだけ

かわいそうだと笑ってよ、それで少しは救われるから

君と生きるためならば嘘も本当にしてみせる。けれどもなんだかとても虚しい

白馬なんかじゃなくていいから、早く私を迎えにきてよ

寂しい寂しいと叫んだとして、その声がだれかに届くはずもなく、地面に落ちて消えるだけ

だってだってどうしようもなく好きだった


21-30

黒いどろどろが私の口からこぼれて、こぼれて、

時計の音に耳を済ませて、日付が変わる瞬間を嘆いた。

長いこと二人で生きてきたけれど、どうしたってあなたの一部にはなれなかった。

射殺すようなその鋭い視線の名前を私は知っている。

孤独といつでも隣り合わせ。君がこの先側にいる保証なんてどこにもないんだ。

すべてが終わった瞬間この世が終わったような気がした。そんな、喪失感。

比べることに慣れすぎて、何もかもが素直に受け入れられない。

そしてそのまま生きていくのだ。我が子の死体に気づかないまま

胸が痛くて、どうしようもなくて。いつまでも棘を抱えたまま、いつか溶けて無くなると信じて。

すべてに見捨てられた気がして、涙も出なくて、それでも心臓が時を刻むから。




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