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memo

* 茂庭要 × ピアス *

“今度の日曜、行きたいトコに付き合うよ_____”

前までは練習、今は就活と1日フリーで過ごした時間なんて片手で数えれる程。
そんな私に申し訳なさを感じたのか、いつもの帰り道、彼ははにかんだ表情を浮かべながら声を掛けた。

彼を纏うオーラは付き合う前のような初々しさと緊張で、そのぎこちなさに私の頬の筋肉は綻んだ。

“じゃあショッピングしたいな”

唇の両端を横に引っ張り、弾んだ声でお願いすれば、彼の顔に本来の笑みが戻る。
“わかった”と喜ぶ姿は仔犬のようで、見えない尻尾が振れるのを発見しただけで今までの淋しさなど簡単に埋まってしまう_____

〜:〜:〜:〜:〜

約束の日。
久々の私服デートは気恥ずかしく、くすぐったかった。
繋いだ手は離れる事なく、私の話にも絶えず笑顔で聞いてくれる彼に心は喜びに満ちていく。

「あ」

気になったモノがあればすぐに駆けていく、自由気ままな私に彼は嫌顔1つせず、引かれる手に付いて来てくれる。
これではどちらがリードを付けられているのかわからない。

店内に入り、立ち止まった場所はピアスコーナー。
ライトに照らされ、キラキラと揺れ光るソレに憧れを抱く私はまだまだ子供だ。

その中でも1番心惹かれたモノを手に取り、ジッと見つめていると、彼は私の肩から顔を覗かせ、一緒に眺めた。

「可愛いじゃん」
「そうなの、でもピアスなんだよねー…」

私は穴の開いていない耳たぶを触りながら「最近はイヤリング少ないから」と、名残惜しそうに手にしたピアスを元の位置に掛け直そうとした時。
彼は私の手からそれを奪い、スタスタと店の奥へと進んでいった。

「ちょっと、要?」

いつもなら小さな声にも反応してくれる彼なのに、私が呼び掛けても彼は振り向いてはくれず、“どうして、何で?”という質問に答える事なくレジを済ませてしまった。

包装された袋を持つ反対の手で再び私の手を握り「行こっか」なんて。
変わらず柔和な顔で私に微笑んでくる。

「ね、なんで買ったの?」
「だって物欲しそうにしてたから」

ようやく返ってきた言葉は私が知りたい答えではなかった。
私は首を傾げ「でもピアスなんて付けれないのに…」と今度は丁寧に質問をする。

すると彼は澄み切った瞳を細め、“可笑しな事を聞くんだな”と言わんばかりに表情筋を緩めて見せた。

「フックタイプなら簡単にイヤリングに付け替えれるから」

伸びてきた指先は私の髪を撫で、横の髪を耳に掛け直した。

「ショッピング終わったら家で付けてあげるよ_____」

“欲しいモノを我慢するなんてバカげてる”


初めての茂庭さん、こちらで失礼します
ちょいちょい雑でごめんなさい

茂庭さんが1番細かい作業得意そうな気がしたので……いや、青根さん辺りなんかは職人レベルに手先が器用そう

いやはや……穴開ければ済む話なのですが、どうにも後々の手入れとかが面倒で当人はどうしても開けれずにいたりします
イヤリングでも可愛いのあるんですが、よく落ちて片方だけ紛失するあの悔しさといったら……


2015/06/24
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