『に、お、』
『もう喋らんで良え。黙っときんしゃい。』
『私、まだ、生き、て、る?』
『ああ、生きとる。』
『私、まだ、ここ、に、いる?』
『ああ、おる。』
『に、お…、』
『…何じゃ。』
『手、握って、て。』
『手なんか幾らでも握っちゃる。』
『あ、と、ぎゅって、して、』
『抱き締めるのも幾らでもしちゃる。』
『嬉しい、なぁ…私、幸福者、だね、』
『そうじゃな。俺がこんな風に手握るのもこんな風に抱き締めるのもお前さんだけじゃ。』
『あ、りがと…、仁王、に会えてなかっ、たら、こんな気持ち、知らない、まま、だった…。』
『それはお互い様ナリ。』
『そ、う?』
『…お前さん、疲れとるみたいじゃのう。少し寝たらどうじゃ?』
『でも、もう少し、だけ、仁王、と話してたい…、』
『…もう無理じゃ、今のお前さんとは…俺が、耐えられん…っ、』
『そ、っかぁ…。最後、まで、困らせて、ご、めんね…。役立たずの、ガラクタを、愛して、くれて…あ、りが、』


そう云って壊れたお前の頬に触れる。

さっきまで動いとったんじゃ、さっきまで生きとったんじゃ。

まだ理解出来ない頭にお前の取れた腕だけが焼き付いた。


2012/01/06clap thank you!

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主人公→ロボット
仁王→主人
主人公は仁王が買ったロボットで初めはただの雑用係だったが何時の間にかそのロボットに心を奪われてしまい恋に落ちた。主人公もまた仁王の注いでくれる愛に喜びを感じるようになる。
ある日、893に絡まれた仁王を助けようとしてぼろぼろに破壊されてしまう。
殆ど原型が残らないままでも最後まで思い続けた主人公に未練しか残らないっていうお話。
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