『財前君、財前君、』
『何スか。』
『今日ね、この前云ってた植木鉢から芽が出たんだよっ、』
『さよか、良かったやん。』
『うんっ。』
『せやけど、花の面倒なんか見とる暇あるんですか?先輩自分の面倒だけでも一杯一杯やんか。』
『そんな事無いもん。』
『ま、精々今度はこの前の花みたいに枯らさんように頑張って下さい。』
『うんっ。』

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『…財前君、』
『何スか。』
『この前云ってた花ね、』
『…ああ、枯らしたんでスか?』
『違うの。』
『せやったら何スか。』
『私の代わりに育てて欲しいの。』
『は?何で俺がそないな事せなアカンねん。』
『お願い、します、』
『…頭なんか下げられても無理なモンは無理や。』
『…そっ、か…、ごめんね…。』


それから暫く学校で先輩を見なくなった、気になって部長や謙也さんに聞いてみたら自分の家の庭で死んどったらしい。

近くにあった小さい植木鉢にお父さんお母さん、最後の種、枯らしてごめんなさいってメモがあったって聞いた、阿呆、謝らなアカンのはこっちや。


2012/01/06clap thank you

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主人公→学生
財前→後輩
主人公は中学生の頃に両親を亡くし天涯孤独で学校でもあまり話さず日夜バイトに勤しんでいる。
財前とはバイト先で出会って不思議と意気投合し学校も同じで家も近いという事で自然に惹き合った。
ある時からそれを快く思わない人間達に肉体的精神的に痛め付けられても耐えてきたが、今まで大切に育ててきた両親の最後の思い(種)を枯らしてしまい心神喪失。
主人公の異常に財前は気付けなくて死なせてしまって後悔するっていうお話。
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