『相変わらず君は泣き虫だね。』
『…幸村が泣かないから私が代わりに泣いてあげてるの。』
『誰も頼んでないよ、そんな事。』
『そうだよ。だって慈善事業だもん。』
『随分と迷惑な慈善事業だね。』
『私が泣く事で誰かが笑えるなら私はそれで良い。』
『で、誰か笑ってたの?君の泣く代わりに。』
『知らない。知る必要もない。』
『そんなのは泣くための理由でしかないよ。君が泣きたいがための理由にしないで欲しいな。』
『そんな事、』
『無いって云いたいの?』
『だって私には泣く位しか出来ないの。笑えないの。』
『なら、俺が君の笑顔を戻してあげる。』
『今更無理だよ。』
『初めから上手く笑えなんて云わない。少しずつで良い。』
『幸村は何でそんな事云うの。』
『君の笑顔が見たいだけ。まぁ、泣き顔は救い物にならない位不細工なのもあるけどね。』


その時、一瞬見せた幸村の笑顔、あれは純粋に私の笑顔が見たいとかそんなのではなくて、面白い玩具を見付けた時の子供の笑顔に似ていた。


2012/01/06clap thank you!
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