『おい、』
『何。』
『そっちやない、こっちや。』
『何処。』
『反対。』
『ユウジ、』
『何や。』
『何も見えないの。』
『…大丈夫や。もう直ぐしたらちゃんと見えるようになるで。先生も云うとったやろ。』
『そうだね。』
『おい、』
『何。』
『逃げるか、此処から。』
『…連れ出してくれるの?』
『おん、外に出よう。そんで二人で生きるんや。』
『でも、私目見えないし、』
『俺がお前の目になる。』
『手だって動かないし、』
『俺がお前の手になる。』
『そもそも逃げるための足が無いんだよ。』
『俺がお前の足になる。やから逃げるんや。』
『何処に?』
『何処でも行こうや。お前の行きたい所でも良え。』
『じゃあ花畑が良い。世界を覆う位の大きな花畑。』
『おん、連れてったる。』


その約束が果たされるのはお前の心臓が止まってからになってもうた。
見てみ、お前が見たい云うてた花畑やで、…骸骨が喋る訳ないやんけ俺の阿呆。


2012/01/06clap thank you!

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主人公→小国の姫/四肢殆ど無
ユウジ→御付き
国王の不祥事が公になり国王は自害したが主人公は捕まって監獄に。
幼馴染み兼御付きであるユウジは主人公を監獄から連れ出そうとするが脱獄するまでにあまりの時間が経ってしまい外には出れたものの生きてる間には花畑を見せてあげられなくて自分が情けない、っていうお話。
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